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ひよりみどん(ひよみりどん)

放送回No.0913(0575-A)
放送日1986年11月22日(昭和61年11月22日)
出典熊本県
クレジット演出:細谷秋夫 文芸:沖島勲 美術:小出英男 作画:細谷秋夫
ナレーション常田富士男

清潔になって天気が当たらなくなった男の話

昔々熊本県の菊池という村に日和(天気)をよく当てる男が住んでおり、村人から「ひよりみどん」と呼ばれていた。

この男、髪の毛は伸び放題で体も洗わず一年中一張羅のままというひどく汚い身なりをしていたが、村人が麦狩りをすると言えば明日は晴れると当て、大豆の種を撒くと言えば今晩は一雨降ると当てるので、村では不作になる事が無くいつも村人からお礼を貰い感謝されていた。

ある時ひよりみどんの噂が山向こうの狩り好きの殿様の耳にも届いてしまい、ひよりみどんは村人に見送られながら家来に連れられてしまう。ところがひよりみどんがあまりにも臭いので、家来は城に着くとその格好ではとても殿様の前に出せないと言い、無理矢理ひよりみどんの体を洗って立派な着物に着替えさせ、髪も櫛ですき結えてしまった。

綺麗な格好で殿様の前に出されたひよりみどんは、早速殿様に狩りに出るため明日の天気を当てるよう言われるが、どうした事かいつもと違い明日の天気が閃いてこないので、殿様に急かされたひよりみどんはつい明日は良い天気だと言ってしまう。それを聞いた殿様は嬉し過ぎて夜も眠れず、朝も暗いうちから狩りに出かけ夢中になって獲物を追いかけ回すが、突然山が大嵐に見舞われ、這う這うの体で帰ってきた殿様はひよりみどんが嘘をついたと怒り、ひよりみどんを城から追い出した。

ひよりみどんが一日で村に返されたので村人は大喜びだったが、ひよりみどんは何故城の中では天気が外れたのか自分でも分からないのだという。実は一年中洗われる事が無いひよりみどんの体は、雨が近づけば湿り晴れが近づけば渇くので、普段は体を触れば天気の予想が当てられたのだが、城に連れて行かれた時に体を綺麗に洗われたのでそれができなかったのである。

こうして村に帰ってきたひよりみどんは、また汚い格好に戻り毎日村人に天気を教え続けたので、村人もひよりみどんをずっと大切にしたという。

(投稿者: お伽切草 投稿日時 2012-2-4 19:15 )


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