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烏とたにし(からすとたにし)

放送回No.0897(0565-A)
放送日1986年09月13日(昭和61年09月13日)
出典松岡利夫(未来社刊)より
クレジット演出:殿河内勝 文芸:沖島勲 美術:青木稔 作画:殿河内勝
ナレーション常田富士男

あらすじ

昔、周防の国の長門に山里があった。山里には沼があって、タニシがいっぱい住んでおった。タニシ達は沼の底で毎日、静かに暮らしておったが、その中の一匹のタニシは、そんな暮らしが退屈でたまらず、一度沼の外に出て、昼寝をしたらどんなに気持ちが良いだろうかと思うようになった。

さて、このあたりの野山にはカラスがおった。このカラス、性悪ではなかったが、鳴き声がうるさく、見た目も真っ黒なので他の動物たちから邪険にされていた。そんなカラス、自分では姿も美しく、美声の持ち主だと思っていたので、他の動物たちからそう思われるのは心外だった。

一方、タニシは沼の上の事を考えると夜も眠れないようになり、ある日とうとう沼の外へ出て行った。そして一晩かけて沼の上に突き出ている石の上までやって来た。

ちょうどそのころ、カラスが朝飯を探していた。すると沼の石の上にタニシが寝ておった。タニシはちょっと昼寝のつもりが、疲れが出てすっかり眠り込んでしまっていたのである。カラスにつかまりタニシは後悔したが、もうどうすることもできなかった。めったに無いごちそうにカラスはすっかりご機嫌になり、お気に入りの場所でタニシを食べようとした。

するとタニシは「あなたはとても美しい姿をしている。声もきっと美しいのだろう。食べられる前にあなたの声を聞かせてほしい。」とカラスに言った。

カラスはこれを聞いて嬉しくなり、大声で鳴いた。さて、それではタニシ食べようと、カラスが口ばしを伸ばすと、タニシはまたこんなことを言った。「あなたの美しい声を、仲間たちにも聞かせてやりたい。それからあなたに食われましょう。」

カラスはますます上機嫌になり、タニシをくわえてタニシが暮らしていた沼の所まで飛んで行った。

沼の所まで来るとタニシは「さぁあなたの鳴き声を聞かせてください」と言った。お世辞に乗せられたカラスは、そこで「カー」と鳴いた。するとタニシはそのまま沼の中へと消えて行った。カラスは悔しがったが、もう後の祭りじゃった。こうしてタニシは無事に仲間の住む沼に戻ったということである。

(投稿者:カケス 投稿日時 2014/3/8 22:16)


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