情報の掲載されているページはこちらです。(本文に戻る)byまんが日本昔ばなし〜データベース〜[印刷用画面]

水とめの桃(みずとめのもも)

放送回No.0861(0541-B)
放送日1986年03月29日(昭和61年03月29日)
出典小汀松之進(未来社刊)より
クレジット演出:しもゆきこ 文芸:沖島勲 美術:しもゆきこ 作画:堀田篤子
ナレーション市原悦子

あらすじ

昔、ある山奥に一人の働き者の若者が住んでいました。この若者の畑には「水止めの桃」と呼ばれる、桃の大木が立っていました。この桃の木の実を食べると「大水が出る」という言い伝えがありました。

この近くに、若者に思いを寄せる一人の娘がいました。ある時、水浴びをしている男の着物を取り上げて、着物の返還するかわりに結婚を迫りました。若者はしぶしぶ結婚を承諾して、二人で暮らし始めましたが、やがて若者もこの娘が好きになりました。

二人仲良く暮らしていたある時、嵐がやってきました。若者は桃の木の事が心配になり、娘を家に残し、一人で嵐の中を出掛けて行きました。嵐も通り過ぎた翌朝、娘は桃の木の下で倒れている若者を見つけ、家に連れて帰って介抱しました。

その日、娘は一人で畑にいきました。畑仕事に精を出しているうちに、のどが渇いてきた娘は、あれほど禁止されていた桃の実をもいで食べてしまいました。

この事を知った若者は、大慌てで娘に詰め寄りましたが、娘は「大水など出るわけがない」と気にする様子もありませんでした。さらに娘はもう一つ桃をもいで、若者にも食べるようにすすめました。

若者が娘から手渡された桃を食べると、山奥から大水が噴出しました。大水はどんどんあふれてきて、あっという間に若者も娘も家もすべて押し流してしまいました。水が引いた後の荒れ果てた土地には、桃の木だけが残っていました。

(紅子 2013-10-6 23:59) 


※このページは印刷用の画面です。情報の掲載されているページは、こちらです。(本文に戻る)