情報の掲載されているページはこちらです。(本文に戻る)byまんが日本昔ばなし〜データベース〜[印刷用画面]

万年寺の御好し狸(まんねんじのおよしたぬき)

放送回No.0832(0524-A)
放送日1985年11月30日(昭和60年11月30日)
出典滋賀県
クレジット演出:フクハラ・ヒロカズ 文芸:沖島勲 美術:門屋達郎 作画:フクハラ・ヒロカズ
ナレーション市原悦子

親切するのに、理由はいらない

昔、滋賀の上砥山(かみとやま)に、寅吉という腕のいい若い大工がいました。

この寅吉は、お酒に酔うとどこにでも寝てしまう悪い癖があって、毎晩帰り道の途中で寝込んでしまうのでした。今宵も酔っ払って万年寺の峠道ですっかり寝込んでいた所を、親切な誰かが起こして家まで送り届けてくれました。

やがて厚い氷が張る寒い季節になりましたが、寅吉は今日もやっぱりお酒をたらふく飲んで、万年寺近くで寝込んでしまいました。真夜中の寒さで凍え死にそうな寅吉を、親切な一匹のタヌキが起こしてくれました。さらにタヌキは、夜道を明るく照らし、寅吉を背中におぶって、家まで送り届けてくれました。

毎晩、寅吉をおこしてくれていたのは、このタヌキでした。寅吉はこの日を境に、きっぱりを酒をやめました。寅吉はタヌキに感謝しながらも、どうして親切にしてくれるのか首をかしげましたが、万年寺の和尚さんは「困っている時はお互い様だよ」と諭されました。

それからもタヌキは、峠で眠りこんでいる人を起こしては家まで送ってくれたそうです。それで人々は、お人よしのタヌキという意味で「お好しダヌキ」と呼ぶようになりました。

(紅子 2012-4-11 2:06)


地図:万年寺(滋賀県栗東市)

※このページは印刷用の画面です。情報の掲載されているページは、こちらです。(本文に戻る)