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黄金のみかん(おうごんのみかん)

放送回No.0830(0522-B)
放送日1985年11月16日(昭和60年11月16日)
出典宮崎県
クレジット演出:森川信英 文芸:沖島勲 美術:小出英男 作画:森川信英
ナレーション常田富士男

大斗(おせり)の滝にまつわる話

むかし宮崎県東臼杵(ひがしうすき)の西郷村という所に、人の良い元気なお婆さんがいました。
この村外れの山の中には「大斗(おせり)さん」という滝があり、滝の近くには「いのす(柚子)」の木があり、毎年大きな実をつけていました。

お婆さんは、大斗さんの滝を孫たちに見せてあげようと連れだって出かけましたが、大斗さんの滝の近くまで来ると、身の丈を超す草が生い茂っていて、とても近付くことが出来ませんでした。そこでお婆さんは、毎日通って大斗さんの草刈りをすることにしました。

ところで、お婆さんが通る橋のたもとに、根性の悪い爺さんが住んでいました。草刈に通う婆さんに「橋を渡るたびに大根を一本渡せ」と欲ばりな事を言いましたが、お婆さんは快く大根を指し出し、毎日草刈りに通いました。

ある日、お婆さんが草刈をしていると、いのすの木に黄金色(こがねいろ)に輝くミカンが実っていました。さっそくお婆さんが一口食べると、ウキウキ元気が湧いてきて、まるで若返ってくるようでした。この話を聞いた欲ばり爺さんが、大斗さんの所へ行ってみると、さっきまで黄金色に輝いていたミカンは、元のいのすの実に戻っていました。

それでも爺さんは、カゴいっぱいに酸っぱいいのすの実を採り、荷車に積み込みました。ところが、いのすを積んだ荷車は重くなりすぎて、爺さんは荷車ごと川に落ちてしまいました。ずぶぬれになった爺さんは、そのまま熱を出して寝込んでしまいました。

お婆さんは爺さんに元気をつけさせようと、大斗さんの所から黄金のミカンを採って来て、爺さんに食べさせました。甘くておいしいミカンを食べた爺さんは、熱も下がり元気になりました。

このいのすは、気に入った人が近付くと実が甘くなり、気に入らない人が近付くと元の酸っぱい実のまま、という不思議な木でした。これを知った爺さんは改心して、お婆さんと一緒に草刈りをするようになりました。草を刈り終え、お婆さんとお爺さんが大斗さんの祠(ほこら)の前で拝むと、みるみるうちにいのすの実が黄金のミカンになりました。

大斗さんの黄金のミカンのおかげか、お婆さんは孫たちに囲まれて、末永く長生きをして幸せに暮らしたということです。

(投稿者: 迦楼羅  投稿日時 2012-12-28 17:01)


参考URL(1):http://nanjaroka.jp/meisyo/oserinotaki/index.html
参考URL(1):http://www.miyazaki-satonavi.jp/spot/details.php?spotId=165
地図:大斗の滝

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