放送回 | No.0083(0050-B) |
放送日 | 1976年09月18日(昭和51年09月18日) |
出典 | (表記なし) |
クレジット | 演出:堀口忠彦 文芸:沖島勲 美術:堀口忠彦 作画:堀口忠彦 |
ナレーション | 市原悦子 |
昔々、神様がこの世にいろいろな物をお作りになったばかりの頃でした。山また山のその奥に、優しい神様がおられました。キュウリにナスビにホウレンソウ、みんなこの神様がお作りになったという、野菜の神様でした。
ある日、もっと野菜の種類を増やしたい、そう思った神様は、絵の具を取り出し、何やら紙に書き始めました。「一つは小さくて短いの、もう一つは細くて長いの、もう一つは丸くて大きいの。さて、どんな色にするかな。そうだ、模様を入れてみよう。ぺたぺたぺた・・・」
こうして、新しい野菜ができあがりました。「名前はどうしようか。そうじゃ、おまえはにんじん、おまえはごぼう、おまえはだいこん、というのでどうじゃ」神様が絵を指さすと、絵の野菜たちが飛び出しました。「にんじんごぼうだいこん、仲良くするんじゃぞ」「はーい神様、綺麗な着物をありがとう」他の野菜たちは、この綺麗な模様をうらやましがりました。にんじんごぼうだいこんは、大得意になって見せびらかしていました。
それから。
年に一度、国中の野菜が神様の家に集まる日がやってきました。にんじんごぼうだいこんは、これに備えてお風呂に入りました。ところが熱いお湯に入った途端、ごぼうはポーンと飛び出して、その上泥の中で転んでしまい真っ黒け。だいこんはゴシゴシ体を洗いすぎて、着物ごと洗い流して真っ白け。にんじんはいつまでもお湯に入りすぎて、真っ赤になってしまいました。
神様に、前のような綺麗な模様の着物を書いてほしいとお願いしましたが、「おまえたちは、あの着物を他の野菜に自慢しておったから、このままでよろしい」そう言われてしまいました。それからのことでした。にんじんは赤、ごぼうは黒、だいこんは白、になってしまったのは。
(投稿者: 十畳 投稿日時 2011-8-4 6:34 )