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No.0815
えびすさんとにわとり
えびすさんと鶏

放送回:0513-A  放送日:1985年09月14日(昭和60年09月14日)
演出:やすみ哲夫  文芸:沖島勲  美術:あかばんてん  作画:金海由美子
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あらすじ

昔、出雲の美保関(みほのせき)の村は漁業で活気づいていました。それも「えびす様」のおかげだといって毎日漁師たちはお参りを欠かしませんでした。

ところが、ある日を境に魚が全く捕れなくなってしまい村は寂れていきました。村に住む儀助(ぎすけ)じいさんは魚を捕ろうと夜明け前に揖屋(いや)の海に船を出しました。そこには揖屋の浜辺で美しい姫神とえびすさんがいて、2人で遊んでいたのです。

えびすさんは一番鶏が鳴くと「夜になったらまた来る。」といって慌てて船を漕いで村に戻り、いびきを掻いて眠ってしまいました。魚が捕れなくなったのは昼寝しているために漁師たちの願いが耳に入っていないためだったのです。村人たちは困りましたが相手は神様なので諫めることが出来ません。

儀助じいさんは「夜起きて昼に寝てしまう」年寄り鶏を連れて、真夜中に揖屋の浜に向かいました。鶏が鳴くとえびす様は驚いて村に向かいました。途中、「フカ」がえびすさんに襲いかかり着物を引きちぎってしまいました。村に戻ったえびすさんは真夜中ということに気づき鶏に騙されたと怒りました。

翌朝、漁師一同がお参りしましたが「鶏を何とかしないと願いは聞き入れない」と怒り心頭で願いを聞いてくれません。儀助じいさんは立ち上がって「これから鶏も飼わないし卵も食わん。だから姫神様の所に行かないで海に魚を戻して欲しい」と訴えました。

それからえびすさんは出かけなくなり、海に魚が戻りました。美保関の村はそれ以来、鶏も飼わず、卵も食べなくなり、自由になった鶏たちはのびのびと暮らしたそうです。

(投稿者: のんの 投稿日時 2012-2-2 12:57 )


ナレーション常田富士男
出典岡義重
場所について出雲
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※掲載情報は 2012/2/2 20:44 時点のものです。内容(あらすじ・地図情報・その他)が変更になる場合もありますので、あらかじめご了承ください。
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コメント一覧
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華煌  投稿日時 2020/2/9 22:17
魚が戻ってよかったですね。
鶏との約束とえびすさまとの約束をリンクして、
儀介じいさんうまくやりましたね。交渉上手!
「アズバタの木」と同じく、夜女性のところへ通う習わしなのでしょうか。
ちょっぴりえびすさまがかわいそうに思えました。
出雲大社へお参りした帰りに三保関に寄りました。
のどかな漁港風景でした。
他日長男と長女が三保関に一泊したそうですが、
名字が同じ、若い男女だから夫婦でしょう?と間違われ、
いくら兄妹だと説明しても信じて貰えなかったそうです。
また三保関は特にイカがおいしいそうで、イカとタコが苦手な長男が、
宿の人にさんざん勧められて閉口したそうです。( ´艸`)
カケス  投稿日時 2019/3/2 19:26
「夜起きて昼間眠る年寄りの鶏」
これって認知症の鶏っていうことでしょうか?
動物も長生きすると、人間と同様に認知症になるそうですからね。
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