あるところにイワナ釣りの好きな男がいました。
ある日その男の妻が出産の為に里帰りすることになりました。里帰りする前に妻が男に「私が無事に出産して帰ってくるまで、決して殺生はしないで下さい。」と言う。男は「わかった。大好きなイワナ釣りもしねえ」と約束する。
しかし、妻が出ていって何日かすると、好きなイワナ釣りをどうしてもしたくなり、妻との約束を破って、イワナ釣りにでてイワナを食べしまう。すると岩場に妻が現れ「どうして約束を破ってしまったのですか?」と悲しむ。そこで男は急に冷静になり「しまった!おれはなんて言うことをしてしまったんだ」と不安をかきたてられ、慌てて家に帰る。
はたして家には、無事に出産をすませた妻が子供に乳をやっていた。「あんた、どうしたん?」 その後妻がもうイワナ釣りをしても良いと言っても、男は二度とすることはなかった。
(引用/まんが日本昔ばなし大辞典)
ナレーション | 市原悦子 |
出典 | 江馬三枝子(未来社刊)より |
出典詳細 | 飛騨の民話(日本の民話15),江馬三枝子,未来社,1958年12月20日,原題「霧茂谷の岩魚」,採集者「和仁市太郎」 |
リメイク情報 | 飛騨の霧茂谷 |
場所について | 高原川へそそぐ小さな支流の谷間(地図は適当) |
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