ある村に何にでも興味を持ってはまってしまうやじゃどんという男がいた。村人はそんなやじゃどんをバカ呼ばわりしていた。
ある日、やじゃどんはかや切りに行くため鎌にやすをくっつけた物を持って出掛けた。途中、川を渡っている時川蟹に夢中になって、やすで蟹を取り始めた。しかし、やすの反対側に鎌がついているのを忘れていて、うっかり自分の首を切り落としてしまった。
それにも気付かず蟹を取っていると川に見たことのある顔が浮いてるで拾ってみたら、それは自分の首だった。こりゃうっかりしてたとその首をくっつけてかや切りに行った。
しかしなぜかかや切り場と逆の方向に進んでしまい不思議に思っていると首を反対につけているのに気付き首をはずしてつけ直そうとした。が、その拍子に手がすべり首は坂を転がって川へ落っこちてしまった。
川に潜って首を探していると岩にはまりこんでいる首を見つけた。 首を元に戻して丘へ上がったが、首がでかい石をくわえているので今度はそれに夢中になってしまい、かや切りも鎌も忘れて家に戻った。
家に戻ると女房が怒っていたが、くわえていた石に何やら金色の欠片がくっついていたのでその石をこすってみると、それは巨大な金の塊だった。その後その川の底を調べてみるとそこから金がざくざく出てきた。そして2人は大金持ちになったのだった。
(引用/まんが日本昔ばなし大辞典)
ナレーション | 市原悦子 |
出典 | 荒木精之(未来社刊)より |
出典詳細 | 肥後の民話(日本の民話27),荒木精之,未来社,1960年06月30日,原題「弥じゃァどんの首」,採録地「球磨郡上村」,話者「高田素次」 |
場所について | 木上村(地図は適当) |
このお話の評価 | 7.86 (投票数 7) ⇒投票する |
⇒ 全スレッド一覧