情報の掲載されているページはこちらです。(本文に戻る)byまんが日本昔ばなし〜データベース〜[印刷用画面]

田植え鬼(たうえおに)

放送回No.0793(0498-B)
放送日1985年06月01日(昭和60年06月01日)
出典佐渡の伝説(角川書店刊)より
クレジット演出:小林治 文芸:沖島勲 美術:なかちか東 作画:片岡千恵
ナレーション市原悦子
備考狢工房様サイトによれば演出は白梅進

あらすじ

昔、佐渡の黒姫という所に、勘右衛門という長者がいました。

ある年の節分の夜に、「福は内、鬼は外」と大声を張り上げて家のあちこちで豆をまいておりました。すると、いきなり台所から「助けてぇ~」と叫びながら、赤鬼が飛び出してきました。

最初は勘右衛門も驚き慌てましたが、赤鬼を奥の座敷に招いてご馳走をしてもてなしました。赤鬼は、すっかりご機嫌で帰っていきました。

やがて、田植えの季節になり、勘右衛門の家でも朝暗いうちから仕事に取りかかりました。ところが、急にはげしい雨が降り出し、仕方なく苗を田んぼに置いたままその日は家に帰りました。

すると翌日、勘右衛門の田んぼはすっかり田植えが終わっていました。こんな不思議な事が何年も何年も続くようになりました。

ある年の田植え時期、何世代も後の勘右衛門は「一体誰が田植えをしているのか」確かめようと、木の陰に隠れて様子をうかがっていました。すると、真っ暗な田んぼの中に、一人の早乙女が入っていきました。

そのうちに、早乙女はいい声で田植え歌を歌いながら、あっという間に苗を植えていきました。勘右衛門は、早乙女の良い歌声につられて、ついつい一緒に田んぼに入って踊り出してしまいました。

勘右衛門に見られていたことに気が付いた早乙女は、高く舞い上がり赤鬼の姿に変わり、風のようにお宮の裏山へ消えていきました。

それで、黒姫のお宮の裏山あたりを「鬼山」と呼ぶようになりました。この時から、勘右衛門の家では、節分の時に「福は内、鬼も内」と言うようになりました。

(紅子 2013-11-4 1:58)


地図:鬼山(黒姫の宮の裏山)

※このページは印刷用の画面です。情報の掲載されているページは、こちらです。(本文に戻る)