情報の掲載されているページはこちらです。(本文に戻る)byまんが日本昔ばなし〜データベース〜[印刷用画面]

雲雀むかし(ひばりむかし)

放送回No.0779(0489-B)
放送日1985年03月30日(昭和60年03月30日)
出典稲田浩二(未来社刊)より
クレジット演出:古辺光治 文芸:沖島勲 美術:阿部幸次 作画:上口照人
ナレーション市原悦子

牛を虐待するDV男がヒバリになる話

昔、岡山の吉備高原というところに五平という牛飼いの男がいました。

五平は、言う事を聞かない牛には、それはもう何度も何度も打ちつける、とても意地悪で心根の冷たい男でした。女房が「あまり牛をいじめないように」と忠告するのですが、全く聞く耳を持ちませんでした。

この年はとりわけ暑い夏でした。のどが乾いた牛が、勝手に水飲み場へ行ってしまわないように、炎天下の中に木につないでいました。それでも、五平が気が付かないうちに、一頭の牛が綱を引きちぎり、水飲み場へ行ってしまいました。

怒った五平は、牛をしたたかに叩きつけ、水をやらずに牛舎につなぎました。しかし、のどが乾ききった牛は、五平を突き倒してこぼれた水をゴクゴク飲みました。

怒り狂った五平は、水も飲ませないまま、炎天下の中、牛を連れ出し出かけていきました。すっかり弱っていた牛は、途中でとうとう力尽きて動かなくなり、そのまま死んでしまいました。

すると、五平はのどが渇いて渇いて耐えられなくなりました。家に帰って手桶の水を飲みほしましたがまだ足りず、大きな水瓶の水を飲みほしましたがまだ足りませんでした。五平は「もっと水をくれ」と言いながら、そのまま息絶えました。

死んだ五平は、ヒバリに生まれ変わりました。五平のヒバリは、夏になるとやけに喉が渇きました。空から清水を探しては、まっしぐらに降りてみますが、降りてみると清水は消えてしまいます。

いつまでたっても清水の水にありつけず、五平のヒバリは、今も水を求めて飛び続けているそうです。

(紅子 2013-9-13 18:51)


地図:吉備高原(地図は適当)

※このページは印刷用の画面です。情報の掲載されているページは、こちらです。(本文に戻る)