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二十三夜さま(にじゅうさんやさま)

放送回No.0748(0470-B)
放送日1984年11月17日(昭和59年11月17日)
出典瀬川拓男(角川書店刊)より
クレジット演出:三善和彦 文芸:沖島勲 美術:長尾仁 作画:三善和彦
ナレーション市原悦子

あらすじ

昔々、沖縄では月が半分の姿になる「二十三夜」には「月待ち」と言って、客人を集めて月を拝み、飲食を共にし、楽しく過ごす習わしがあった。

ある家で、その主人と二人の客人が月待ちをしていると、突然その辺では見かけない、みすぼらしい姿をした老人が姿を表し、月待ちの宴に加えてくれるよう頼む。客人達は露骨に嫌な顔をしたが、主人だけは快くその願いを聞き入れ、やがて4人で楽しい月待ちの宴が営まれた。

老人は帰り際、「次は私の家で月待ちの宴を致しましょう。今度の二十三夜の日に伴人(ともびと)を遣わします」と言って去って行った。客人達は「貧乏人が大きな口を叩く」とせせら笑っていたが、次の二十三夜の日、本当に伴人がやって来た。

伴人に案内され、主人と客人がついて行くと、山のふもとに見た事も無い豪勢な屋敷が姿を表した。山のような財宝と山のような御馳走に目を見張る主人と客人達。

やがてあの日の老人が挨拶に現れ「特別な御馳走をこしらえて差し上げますので、暫しお待ち下され」と席を立つ。驚きの連続だった客人達は「何か怪しい者に化 かされてるんじゃないか」といぶかり、老人が御馳走を作っている部屋をこっそりと覗いてしまう。

そこで見た光景は、あの老人が赤ん坊を包丁で切り刻んでい る様子だった。客人達は恐ろしさの余り屋敷を逃げ出す。

ひとり残された主人の所処に老人が出来上がった料理を運んで来た。実は老人が調理していたのは赤ん坊では無く「ニンジュ」と言う、美味しい上に長寿の妙薬となる珍魚であった。
有難いもてなしを受け、主人が帰ろうとすると老人はひと振りの刀を差しだす。「道中、シチと言う柱のような化け物が姿を表すだろう。その時は慌てず、真ん中の黄色いシチをこの刀で斬るが良い」

刀を持って主人が帰路につくと、果たして黒、黄色、白の3匹のシチが姿を表した。老人の言葉通り主人が刀で黄色いシチを斬り伏せると、シチの姿は消え、後には黄金が山積みにされていた。主人はこの黄金の御蔭で大金持ちになったが、逃げ出した客人は数日後、傷だらけになってようよう村に帰りついた。

あの老人は、実は二十三夜の神様だったのだ。二十三夜の神様は時折人に化身して下界に降り、心の善良な者に福徳を授けるのだ、と言う事である。

(投稿者: 熊猫堂  投稿日時 2012-9-6 5:25)


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