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箸蔵山の赤い火(はしくらやまのあかいひ)

放送回No.0745(0468-B)
放送日1984年11月03日(昭和59年11月03日)
出典ふるさとの民話(偕成社刊)より
クレジット演出:三輪孝輝 文芸:沖島勲 美術:三輪孝輝 作画:三輪孝輝
ナレーション市原悦子

木を伐採しすぎて山崩れで家を押し流された夫婦の話

昔、徳島の箸蔵山は、薄い霧がかかり風もないのに木が騒ぐので、神様がいる山として信じられていた。だから箸蔵村の里人たちは、この山には近づかなかった。

ところが、貧乏な百姓の男が薪(たきぎ)を拾いに、一人で箸蔵山に入った。拾った薪を町へ持っていくと飛ぶように売れ、その金で美味しいご飯をいっぱい食べる事が出来た。最初は怖がって山へ入るのをやめるように言っていた女房も、そのうち一緒になって薪を拾うようになった。

やがて、拾う薪がなくなると箸蔵山の木を切るようになり、山の木はことごとく切り倒された。こうして百姓夫婦は里一番の金持ちになり、箸蔵山の麓(ふもと)に大きな屋敷をかまえ、毎日毎日贅沢な暮らしを続けていた。

いつしか、箸蔵山から石が飛んできて夫婦の家の軒に当たるようになり、その数は日に日に増えてきた。ある雨の夜、ハゲ山になっていた箸蔵山がついに崩れ始め、大きな地響きとともに山津波(土砂崩れ)となって二人の屋敷を押し流した。

九死に一生を得た夫婦は、田畑を荒れ放題にし箸蔵山の木を切り倒したことを神様に詫びた。その後も、この里では箸蔵山には神様がいると信じられ、誰も山には近づかなかった。

(紅子 2011-11-23 0:27)


地図:徳島の箸蔵山(地図は適当)

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