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田の神さあと吉蔵どん(たのかみさあときちぞうどん)

放送回No.0730(0459-A)
放送日1984年09月01日(昭和59年09月01日)
出典鹿児島県
クレジット演出:森川信英 文芸:沖島勲 美術:青木稔 作画:森川信英
ナレーション市原悦子

あらすじ

昔、鹿児島の伊集院の村外れに吉蔵とお糸夫婦とその母親が仲良く暮らしていた。

ところが、秋の田んぼの穫り入れが終わった頃、母親が病に倒れ、床に就いた三日後に息を引き取った。夫婦は林の中に墓をつくり、畑の行き返り暇を見つけては手を合わせた。

その翌年の事。五月、六月になっても雨は降らず田んぼも田畑もカラカラだった。吉蔵夫婦は、毎日山向こうの谷川に水を汲み田んぼにかけたが、カラカラの田んぼは水を吸うばかり。村人たちも毎日、雨乞いをしたが一滴も雨は降らなかった。

水を運び続けた疲れで夫婦は毎晩、大いびきをかいて眠った。夫婦のいびきは墓の中で眠る母親にまで届き、母親は目を覚ましてしまった。母親の霊は、吉蔵夫婦の事が気になり様子を見に家に向かったが、その途中どこからか話し声が聞こえてきた。

母親が声のする方へ行ってみると、田の神様とあちこちの神様が寄り集まっていた。田の神様は村人たちが田の神を粗末にし、花も餅も供えず草刈りもしてくれないので、雨の神様に頼んで雨を降らせないようにした、と怒りながら話していた。

それを知った母親は吉蔵の夢枕にたち、田の神様のまわりを掃き清め、供え物をし田の神様のお祭りをしなければ雨は降らない、と伝えた。翌朝、夫婦は田の神様のまわりを綺麗にし、団子をお供えし、なおざりにしたことを謝り手を合わせた。

夫婦が田の神様のお参りを続けて七日目の夜。吉蔵夫婦の家に、田の神様が雨を知らせにやってきた。待ちに待った雨が降り、田んぼはうるおい、枯れかけた苗も元気になった。この年は、田の神様のおかげで村中が大豊作だった。

吉蔵夫婦は母親の墓前に手を合わせ感謝し、母親の墓だけでなく田の神様も大切にした。この話を知った村人たちは、田の神様を大切にし豊作のお願いをしたという。

(投稿者: Kotono Rena 投稿日時 2013-7-03 22:56)


地図:鹿児島県日置市 (地図は適当)

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