放送回 | No.0073(0044-A) |
放送日 | 1976年08月07日(昭和51年08月07日) |
出典 | (表記なし) |
クレジット | 演出:矢沢則夫 文芸:沖島勲 美術:小関俊之 作画:矢沢則夫 |
ナレーション | 市原悦子 |
昔、ある村に、一軒のアメ屋さんがありました。
ある夏の夜、あまり見かけない女の人がアメを買いにやってきました。アメ屋さんが入れ物に水アメを入れてあげると、女の人は消えるように帰って行きました。それから毎晩、夜更けになると女の人はアメを買いにやって来ました。
ある雨の夜の事。隣村のアメ屋さんが訪ねて来ていた時に、例の女の人がアメを買いに来ました。その女の人を見た隣村のアメ屋さんが、一ヶ月前に死んだ松吉の女房だと言いました。
そこで二人は、女の人の後をつけてみることにしました。女の人は、どんどん歩いて隣村の墓場まで来ると、スーッと音もなく消えてしまいました。怯えた二人は近くのお寺に駆け込み、和尚さんと一緒に墓場へ戻ってみる事にしました。
墓場のどこからか、かすかに赤ん坊の泣き声が聞こえてきました。声のする方へ行ってみると、松吉の女房の墓の前に、赤ん坊が捨てられていました。添えられた手紙によると、捨てられたのは数日前のようでした。泣いている赤ん坊を見かねた松吉の女房が幽霊となって、赤ん坊を育てていたのです。
感心した和尚さんは、赤ん坊を引き取り大切に育てる事にしました。その後、あの女の人がアメ屋さんに現れる事はありませんでした。
(紅子 2011-08-09 1:20)
地図:光源寺 |