情報の掲載されているページはこちらです。(本文に戻る)byまんが日本昔ばなし〜データベース〜[印刷用画面]

猿神退治(さるがみたいじ)

放送回No.0072(0043-B)
放送日1976年07月31日(昭和51年07月31日)
出典(表記なし)
クレジット演出:亜細亜堂 文芸:沖島勲 美術:亜細亜堂 作画:亜細亜堂
ナレーション常田富士男

あらすじ

むかし、国中を旅している坊様がおりました。ある日のこと、坊様はある村にさしかかりました。その村の村人達は元気がありません。毎年秋祭りが近づくと娘がいる家に白羽の矢が立ち、その娘を白木の棺に入れて社の神様に捧げないと、田畑が荒らされるというのでした。その日はもう秋祭りの日だったのです。

坊様は「そんな馬鹿な。神様が人間の娘を取って喰うなどと…。」と思い、何とか正体を見極めようと社の下にもぐりこみました。やがて白木の棺を担いだ村人達が影のように現れ、社の前に棺を安置しました。

夜も更ける頃、暗闇の中から三匹の怪物が現れました。怪物は「この事ばかりは信州信濃の早太郎(はやたろう)には知らせるな」と歌いながら踊り狂い、棺の中の娘を骨も残さず喰うてしまったのです。坊様は村人を救うには早太郎に頼むほかないと思って、すぐに信州へと出発しました。

しかし信州は広く、なかなか早太郎には会えません。翌年の夏も終わる頃、坊様はある茶店に立ち寄りました。そこでようやく、坊様は光前寺に早太郎という犬がいるという話を聞いたのです。坊様は早速光前寺を訪れ、山犬の早太郎にこれまでの事を話して聞かせました。そうして坊様と早太郎は、あの村に向けて出発したのでした。

坊様と早太郎はちょうど秋祭りの日にあの村へたどり着き、その年、白木の棺には娘の代わりに早太郎が入りました。その夜、何も知らない怪物達が棺の蓋を開くと、中から早太郎が現れたからたまりません。暗闇の中に唸り声や悲鳴が響き渡りました。

翌朝、坊様と村人達が社を開いてみると、年老いた狒狒が三匹死んでおりました。早太郎の姿はもうどこにもありません。村人達は今まで自分達を騙していた狒狒の死骸を声もなく見つめました。

信州へ向かう道に点々と血の跡が続いています。傷ついた早太郎は長い道のりをただ一人、光前寺へと帰って行ったのです。

(投稿者: ニャコディ 投稿日時 2013-5-19 21:41 )


地図:光前寺(早太郎伝説)

※このページは印刷用の画面です。情報の掲載されているページは、こちらです。(本文に戻る)