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壱岐のあまんしゃぐめ(いきのあまんじゃくめ)

放送回No.0691(0433-B)
放送日1984年03月03日(昭和59年03月03日)
出典瀬川拓男(角川書店刊)より
クレジット演出:樋口雅一 文芸:沖島勲 美術:小関俊之 作画:樋口雅一
ナレーション市原悦子

あらすじ

昔、国中は毎日暖かく、米、麦、あわ、ひえ、大豆、きびなどは根元から穂先までびっしりと実り、にわとりは毎日10個も卵を産み、魚は一年に何度も産卵するので、人間はろくに働かずとも食うに困ることはなかった。

だから寄ると触ると宴会ばかりしていた。食べ物もちょっと食べるとすぐ捨ててしまっていた(その時歌っていたのが「一生~八月、常月(毎夜満月)よ~、こうなの汁(酒)に米のめし~」 という歌です)。しかしこれを快く思わない者がいた。

それは天に住むあまんじゃく(小鬼)である。あまんじゃくは人間が楽して暮らしているのが気に食わない。そこであまんじゃくは人間を苦しめようと天空を駆け巡り、まず太陽をずっと遠くに離し、いつも暖かかった国に雪を降らせ、冬という季節を作った。

月の満ち欠けも作り、真っ暗な夜も作った。次は地上に降り、人間の作物を荒らし、稲や麦は実のなるのを穂先だけにした。次に大豆をしごこうと思ったが、大豆は穂先が針のように尖っているので諦めた。だから大豆は今でも根元からびっしりと実がなるのだ。

最後にきびをしごいたが、きびの歯が細くので手を切ってしまい、あまんじゃくの血がきびの根元を赤く染めた。だからきびの根元は赤いのだという。あまんじゃくは海へ走り、血だらけの手を洗った。すると海の上では人間達が酒盛りをしている。

その頃の舟はこがずに舟底をたたくだけで進んだ。それを見たあまんじゃくは海に潜り、舟底にへばりつくとまじないをかけ、舟底を叩いても動かないようにしてしまった。

その後もあまんじゃくは悪さをし続け、にわとりは日に一個しか卵を産まなくし、魚も一年に一度しか産卵しないようにした。雨と風を一緒に起こして嵐を生み出した。

こんなことが続いた人間はとうとう怒り、あまんじゃくを捕まえると火あぶりにして殺してしまった。あまんじゃくは焼かれて灰になったが、その灰から蠅、蚊、ノミが生まれたそうだ。

(引用/まんが日本昔ばなし大辞典)


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