No.0670
じゅうろくにんだに
十六人谷
高ヒット
放送回:0421-A  放送日:1983年12月03日(昭和58年12月03日)
演出:小林治  文芸:沖島勲  美術:星野靖高  作画:加藤鏡子
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無慈悲に切り倒された柳の精が復讐する話

若い時の弥助(やすけ)は、木こりでした。

ある時、見知らぬ女が弥助の所へ「明日、谷にある柳を切らないで下さい」と、頼みにやってきました。仲間の通夜に参列してすっかり酔っ払っていた弥助は、頭を下げる女に背を向けて、そのまま眠ってしまいました。

翌朝、予定していた通りに弥助と十五人の木こり仲間が北又谷(きたまただに)に入りました。そこには数百年もたったであろう実に見事な柳の木があり、弥助が止めるのも聞かず仲間の木こり達は大喜びで柳を切り倒しました。

その夜、小屋で弥助たちがすっかり寝入っているところへ、昨夜の女がやって来ました。女は、寝ている15人の木こりの舌を、一人ずつ口で吸い取り殺していきました。最後に「あなたに頼めばこんな事にならずに済むと思っていたのに…」と弥助に迫ってきましたが、山刀で切りつけ小屋から逃げ出しました。

それから50年たち、弥助はすっかりお爺さんになりました。この話を、いろり端に座ってお茶を飲みながら、目の前に座っている若い女に聞かせていました。昔の事を思い出しながら、ぽつりぽつりと話しました。

しばらくたった頃、弥助爺さんは恍惚とした表情のまま、舌を抜かれて死んでいました。この事件があった谷を16人谷と言うそうです。

(紅子 2011-12-23 3:32)


ナレーション市原悦子
出典富山の伝説(角川書店刊)より
出典詳細富山の伝説(日本の伝説24),辺見じゅん,角川書店,1977年11年10日,原題「十六人谷」
場所について十六人谷(地図は適当)
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地図:十六人谷(地図は適当)
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※掲載情報は 2011/12/23 3:32 時点のものです。内容(あらすじ・地図情報・その他)が変更になる場合もありますので、あらかじめご了承ください。
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コメント一覧
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ゲスト  投稿日時 2017/4/8 7:24
私のベストオブトラウマー!!!
この他にもいろんな昔話集に出てきたりするので、結構メジャーな話なんでしょうね。
若者が1人だけ助かるとか、その後正体を隠して近づく、忘れた頃にうっかり話してしまうなど、他の話といくつか類似点はあるものの、ここまで際立った特徴があるのも不思議な話。
小さい頃はただただ怖かったですが、大人になってから見ると、キスして殺すなんて見方によっては残酷で妖艶な殺し方でもありますね。
美人な柳の精にしかできない技ですな。
松岡尚  投稿日時 2016/9/25 16:11 | 最終変更
弥助さんの語ったところが常田富士男さんで、後から本物のナレーターは市原悦子さんではありませんか。
__
確かに仰る通りですね。訂正しました。(2016/9/25)
ゲスト  投稿日時 2016/9/1 17:19
昔話中、日本最恐との呼び声も高い『十六人谷』。
猟奇的な大量殺人の手口もさることながら、
半世紀も経ってから復讐を完遂する執念深さが恐ろしいです・・。
yassan  投稿日時 2016/7/2 20:06
お話によってはピンポイントで場所を特定出来ない場合もあります。
まあ十六人谷はだいたいこの辺りということでご了承ください。
ゲスト  投稿日時 2016/7/2 3:23
「地図は適当」でちょっと萎えたww
ゲスト  投稿日時 2016/5/29 10:15
今やっているテレビ東京のふるさと再生 日本の昔ばなしでもやるのだろうか。
苺  投稿日時 2014/3/30 16:48
いやぁ怖いですね・・・・・・(。´Д⊂)(。´Д⊂)
鳥肌が立ちました・・・・・!怖すぎる!
これを幼いこどもにみせたらトラウマ確実ですね・・・・。
匿名希望。  投稿日時 2013/10/7 11:14
なんか、阿部定っぽい怖い内容です・・・。
もみじ  投稿日時 2013/6/19 15:04
この話は怖いですよね。(´Д`;)
柳の精霊?が出てくる前に、大蛇の話がでてたじゃないですか。
弥助の友達が「大蛇なんているわけねぇ」みたいなこと言った直後に
後ろにズルリと現れた大蛇に結構ビビったんですけど。

あれは一体なんだったのでしょうね。
そういう恐ろしいものが山にはたくさんいるんだよ…っていうことだけだったのかな?

大蛇の時も「山刀」を言い伝え通りきちんと持っていたから助かって、
若い時に復讐に訪れた柳の精霊?を振り払ったのも「山刀」だった…。
「山刀」を持っていたから50年もの間、
柳の精霊?に見つからなかったんじゃないか(・ω・)?
とも思ってみたり。

ただ、なんというか最期の弥助は、死ぬのが恐ろしくてあの時は逃げたけれども
今となっては「彼女に、最期にもう一度会いたかった」ような
そんなニュアンスの表現だったような気がするんですよね。(・ω・)

「本当に…美しい女だった」みたいなことを言っていた気がするし
最後も恐怖の顔ではなく、恍惚とした顔で死んでいたそうなので
あえて、話して、殺されることを受け入れたのでしょう(´-ω-`)

にしても、彼女の「あんたに頼めば、こんなことにはならずにすむと思ったのに」って
けっこう理不尽だよね(´-ω-`;)と思うのは私だけか。
頭領でもない木こり一人に、無茶ぶりするのはどうかと。
しかもまさか、あんなえぐい殺し方されるとは誰も思うまいて。

みなほ  投稿日時 2013/6/16 10:08
ほんとに子供向けかよと言いたくなりますね・・・
ラスト、目の前の女性がかつて自分等を襲ったのと同一人物と気づかず、話してしまったがために確信を持たれ弥助は殺されてしまった、ということでいいんでしょうか・・・
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