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耳なし芳一(みみなしほういち)

放送回No.0067(0040-A)
放送日1976年07月10日(昭和51年07月10日)
出典(表記なし)
クレジット演出:杉田実 文芸:吉田義昭 美術:馬郡美保子 作画:馬郡美保子
ナレーション市原悦子

あらすじ

昔、下関(赤間関、あかまがせき)の阿弥陀寺(あみだじ)というお寺に、びわ法師の芳一(ほういち)という男がいた。幼いころから目が不自由だったが、琵琶(ビワ)の腕は師匠をしのぐ程の腕前で、特に壇ノ浦の合戦の弾き語りは真に迫るものがあった。

ある蒸し暑い夏の夜、お寺で芳一がビワの稽古をしていると、身分の高い方からの使者がやってきた。ビワの弾き語りを聞きたい、というので、芳一は使者の後をついて行き、大きな門の屋敷に通された。さっそく芳一は、壇ノ浦の合戦を弾いて聞かせると、大勢の人がいるのかむせび泣く声が周囲から聞こえてきた。やがて女の声が聞こえ、「今宵より三夜間、弾き語りをして聞かせてほしい。またこの事は誰にも内緒にするように」と、告げられた。

朝、寺に帰った芳一は、和尚から不在を問い詰められたが、女との約束通り何も話さなかった。そこで和尚は、夜にこっそりと寺を抜け出した芳一を寺男に尾行させると、安徳天皇(あんとくてんのう)のお墓の前で、ビワを弾いている芳一の姿を見つけた。

平家の亡霊に憑りつかれていると知った和尚は、芳一の体中に経文を書いた。そして、誰が話しかけても絶対に声を出してはならない、と言い聞かせた。その夜、また亡霊が芳一を迎えに来たが、経文に守られた芳一の姿は見えなかった。しかし和尚が芳一の耳にだけ経文を書くのを忘れてしまったため、亡霊には両耳だけは見えていた。亡霊は、迎えに来た証拠に、と芳一の耳をもぎ取り帰って行った。

朝になって急いで様子を見に来た和尚は、芳一の両耳が取られている事に気が付いた。和尚は、かわいそうな事をしたと詫び、医者を呼び手厚く手当をした。傷が癒えた芳一は、もう亡霊に憑かれる事もなく、芳一のビワはますます評判になり、いつしか「耳なし芳一」と呼ばれるようになった。

(紅子 2011-9-27 22:15)


地図:下関の阿弥陀寺(赤間神宮)

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