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おいてけ堀(おいてけぼり)

放送回No.0066(0039-B)
放送日1976年07月03日(昭和51年07月03日)
出典(表記なし)
クレジット演出:石黒昇 文芸:境のぶひろ 美術:下道文治 作画:高橋信也
ナレーション市原悦子
備考本所七不思議では「置いてき堀」。

あらすじ

江戸の町のお掘りに「おいてけ堀」と呼ばれるお堀がありました。そこで釣りをした人が帰ろうとすると、お堀から不気味な声で「おいてけ~」と言う声が聞こえるので、皆が魚を放り投げて帰ってしまうのです。

この噂を聞きつけた、ある魚屋のとっさまは「そんな物が怖くて魚屋が出来るけぇ」と威勢の良い啖呵をきり、女房が止めるのも聞かず、その堀に魚天秤を持ってねじり鉢巻で勇んで出掛けていきます。

さて、釣りを始めたとっさま。釣れるわ、釣れるわ。上機嫌です。しかし周囲は段々暗さを増し、冷たい風も吹いてきました。止せばいいのに、そのとっさまは後で仲間に自慢する為にキセルを一服します。「おらぁ、釣った後も、堀端でキセルを吸ってきたとね」

さて、いよいよ帰ろうと立ち上がったとっさまに、例の「おいてけ~」という不気味な声が聞こえてきました。とっさまは耳を塞ぎ「釣った魚をおいてけるけぇ」と啖呵をきり、そのまま逃走。声が聞こえない所まで来ました。

そこは柳の下でしたが、そこで立ち止まったとっさまの耳に「カランコロン」と下駄の音が聞こえてきます。ハッと身構えたとっさまの前に現れたのは色も透き通る様な美人でした。その美人はこう言います。「その魚を売ってくださいな」。しかしとっさまは「皆に見せるまでは誰にも売らねぇ」と言い張ります。すると女は「これでもかえ?」と言って顔を撫でると、何と「のっぺらぼう」になってしまいました。驚いたとっさまは魚の天秤を投げ出して逃げていきます。

そして辿り着いたのが、ニ八そばの屋台。そば屋の主人に震えながら事の詳細を話すと、振り向いたそば屋も何と「のっぺらぼう」。とっさまは悲鳴をあげて腰が抜けた状態で逃げていきます。

這う這うの体(ほうほうのてい)で家に着いたとっさま。女房が「どうしんだえ?お前さん」と聞くので、「出たんだよ~、あれが~!」と言います。「あれがじゃ分からないよ。でも出たってのは、こんなやつじゃなかったかぇ?」と顔を一撫ですると、何と女房までが「のっぺらぼう」に。腰を抜かしたとっさまは、その場で気を失ってしまいました。ところが、とっさまが倒れていたのは自分の家ではなく、例の女と出会ったお堀端の柳の木の下でしたとさ。

(投稿者: しんちゃん 投稿日時 2011-10-15 1:26 )


地図:錦糸町駅北口付近、錦糸堀

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