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角のある子馬(つののあるこうま)

放送回No.0649(0407-B)
放送日1983年08月27日(昭和58年08月27日)
出典茨城のむかし話(日本標準刊)より
クレジット演出:池原昭治 文芸:沖島勲 美術:池原昭治 作画:今村春美
ナレーション市原悦子

あらすじ

昔、日立の国に野々平(のんのんだいら)という小さな山間の村があり、村はずれの丘の上に伊平衛(いへい)という男が一頭の雌馬を飼っていた。

この雌馬、ある日子馬を産んだのだが、なんとその子馬の頭には角が二本生えていた。この子馬を見た村の衆は、たいそう気味悪がり、伊平衛に子馬を始末するように言った。しかし伊平衛は、とても子馬を始末することなど出来なかった。

その後、母馬は産後の肥立ちが悪く死んでしまったが、子馬をすくすくと育ち、伊平衛はこの子馬をアオと名付けた。ところがある日、村人がアオを余計に気味悪く思う事件が起きた。アオは山の椎の木の大木に一人で登り、その上で休んでいたのだ。

さらに悪いことには、ある夜村から逃げ出した一頭の馬が畑の作物を荒らし、村人はこれをアオの仕業と決めつけたのだ。村人は伊平衛の家に押しかけて、子馬を始末するか、村から出て行くか二つに一つを伊平衛に迫った。

村人から責め立てられて耐えきれなくなった伊平衛は、泣く泣くアオを縛って花貫川(はなぬきがわ)の淵へと沈めた。

すると、どうだろう。それから何日かして、村を落雷と暴風雨が襲った。そして最後には山崩れが起き、村を全部土砂の下に埋めてしまったのだ。山崩れの後、一人丘の上に立つ伊平衛の耳にはアオの鳴き声が聞こえた。そしてその声は、「畑を荒らしたのは俺じゃねえ。」と言っているように聞こえたという。

今でも耳を澄ますと、子馬の悲しげな声が花貫川から聞こえてくるという話だ。

(投稿者: やっさん 投稿日時 2012-9-9 18:36)


参考URL(1):http://www.takahagi-kanko.jp/valley/
地図:高萩市中戸川の名馬里ヶ淵(地図は適当) 

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