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みみずの涙(みみずのなみだ)

放送回No.0646(0405-B)
放送日1983年08月13日(昭和58年08月13日)
出典伊波南哲(未来社刊)より
クレジット演出:三善和彦 文芸:沖島勲 美術:門屋達郎 作画:三善和彦
ナレーション市原悦子

あらすじ

昔、沖縄の那覇に奥武山(おーぬやま)という島があり、そこには数多くのみみずが住んでいた。

ある夜みみずの仲間で宴会が開かれることになり、トントンミーとワタブーも少し送れて宴会にやって来た。皆が楽しく食べたり呑んだり踊ったりしてる中、一人悲し気な顔をしている年寄りのみみずがいる。年寄りはみみずの数が増えているのが悲しいのだという。

年寄りみみずは、みみずはどんどん増えるのに島は大きくはならない。仲間が増えれば増えるほど島は狭くなり、食べ物も不足する、それで悲しいのだと言った。その話を聞いたトントンミーや他のみみずも悲しくなり、皆で泣き出してしまった。

その頃浜の近くでは、一匹のハブが酔っぱらっていい気分でうとうと眠っていた。すると山の上の方から水が流れてきて、ハブは寝ている間に海へ流されてしまった。突然海にハマってびっくりしたハブは、やっとことで岸に泳ぎついた。そうして水が流れてきた山の上の方へ登っていった。すると大勢のみみずが涙を流して泣いている。さっきの水はこのみみずの涙だった。

みみず達が泣いている理由を知ったハブは呆れ顔で、みみず達を岸辺に連れていった。そうして海の向こうに見える渡地(わたんじ)という島を指して、あの島はここよりずっと大きくて食べ物も豊富にある。あそこに移り住めばいいと教えた。

みみず達は半信半疑だったが、とにかく誰か渡地へ調べに行ってもらうことになり、若いトントンミーとワタブーに決まった。2人は葉っぱの舟に乗り、渡地へと向かった。2人はゆらゆら揺れる舟にうんざりしながらも旅を続けた。ようやく渡地へ着いた2人が、土を食べてみると、奥武山よりずっと広くて美味しい土だった。

その後、皆で渡地へ渡ったみみず達は、広大な土地で何不自由なく幸せに暮らしたそうだ。

(引用/まんが日本昔ばなし大辞典)


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