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魂を取る亡者(たましいをとるもうじゃ)

放送回No.0644(0404-A)
放送日1983年08月06日(昭和58年08月06日)
出典瀬川拓男(角川書店刊)より
クレジット演出:小林治 文芸:沖島勲 美術:星野靖高 作画:洞沢由美子
ナレーション市原悦子

あらすじ

昔、ある所に仲の良い夫婦が住んでいた。

ある日のこと、夫は用事で隣村に行くことになった。この夫、いつも機織りをしている女房に、昔からの言い伝えを聞かせていた。それは「夜、機を織ると、あの世の亡者に魂を取られることがある。どうしても夜中に機を織る時は、口に小刀をくわえて織れ。」ということだった。今日も夫は女房にこの事を話して家を出た。

さて、隣村で用事を済ませた夫だったが、家に帰るころには夜も更けて、おまけに外は大粒の雨が降っていた。夫は久葉笠(くばがさ)をかぶり、家路を急いだ。ところが、森の中の墓地を通った時、二人の亡者に出くわしてしまったのだ。

夫は恐ろしかったが、ここで自分が生身の人間とばれたら魂を取られると思い、自分もたった今死んだばかりの亡者だと嘘をついた。ならばその証拠に頭を見せろと言い、亡者は夫の頭に手を伸ばす。なるほど久葉笠をかぶっている。さらに、足を見せろと言う亡者。夫は咄嗟に、亡者が踏んでいる自分の杖を指して、それが自分の足だと言った。なるほど、足も骨になっている。

亡者たちは納得して、自分たちの後に着いて来るように言う。亡者から話を聞けば、この先の家によく機を織る女がいるので、これからその女の魂を取りに行くのだと言う。その女とは自分の女房に違いない。夫はどうやって女房を助けようかと考えた。

家では女房が機を織っている。しかし幸い口に小刀をくわえているので、亡者は手出しが出来ない。ところが、女房は疲れてウトウトし始め、口から小刀を落としてしまったのだ。亡者はこのスキを見逃さず、女房から魂を取ると袋の中に入れてしまった。

夫はここで、隣の家にもっとべっぴんの女がいるので、今度は自分に魂を取らせてくれと言い。亡者から女房の魂が入った袋を借りた。そして、裏からこっそり家の屋根に登ると、大声で鶏の鳴きまねをしたのだ。これを聞いた亡者たちは、夜明けが来たと思い、大慌てで逃げて行く。

こうして、夫の咄嗟の機転で女房は命びろいしたのだった。

(投稿者: やっさん 投稿日時 2012-9-13 16:51)


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