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神上の夕立(かみあげのゆうだち)

放送回No.0641(0402-A)
放送日1983年07月23日(昭和58年07月23日)
出典熊本県
クレジット演出:若林常夫 文芸:沖島勲 美術:青木稔 作画:若林常夫
ナレーション市原悦子

熊本人吉の神上地区に夕立が降るようになった訳

昔、九州の人吉の神上という所に、上のババと下のババという婆さんが暮らしていました。上のババはネガティブ思考、下のババはポジティブ思考。二人はまるっきり正反対の性格をしていましたが、気が合うので仲良く暮らしていました。

二人とも貧しかったので、朝から晩まで働かなくてはいけませんでした。この神上は、周囲を山に囲まれていて真夏の日差しは大変なもので、二人の婆はいつも「畑のために、毎日の夕立が欲しい」と思っていました。

ある日の事、珍しく村の上に夕立雲がやってきたかと思うと、雲から一人の雷様が落っこちてきました。二人の婆さんが物かげに隠れて様子を見ていると、雷様は空に戻るためのたより木(足場にする高い木)を探している様子でした。

そこで下の婆は、昨日二人でかけたばかりの長ーい丸木橋を指さして「たより木ならここにありますぜ」と声をかけました。雷様は、橋だった長い丸木を地面に突き刺してたより木とし、大喜びで空へ戻っていきました。

それ以来、人吉の夕立は、まず先に神上から降るようになりました。

(紅子 2012-3-29 19:08)


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