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トーツポテンの化け物(とーつぽてんのばけもの)

放送回No.0622(0390-A)
放送日1983年04月30日(昭和58年04月30日)
出典松谷みよ子(角川書店刊)より
クレジット演出:吉良敬三 文芸:沖島勲 美術:青木稔 作画:吉良敬三
ナレーション市原悦子

あらすじ

むかしむかしのことじゃった。誰も住まなくなった古い屋敷のあたりに、夜になると化け物が出て「トーツポテン……トーツポテン……」と言って歩き回ったそうな。このあたりの村人達は、大人も子供も皆おっかながって、夜一人で歩くこともできん、一人で小便に行くこともできんかったと。

そこで一人の若者が「化け物になんぞ負けていられねえ!」と夜中に出かけて行ったそうな。すると、真っ白い大きな体に一つ目のトーツポテンの化け物が出てきて、若者と睨みあった。若者は化け物に、トーツポテンと言いながら歩き回る訳を聞いてみたんじゃと。すると化け物は訥々と話始めた。

この化け物は、もともとは屋敷の裏庭に生えた大きなキノコじゃった。ある日、どこからかトチの実(トッポ)が飛んできて、キノコの頭に刺さったんじゃと。それが痛くて痛くて「トッポ取って~!」と泣いていたのが、いつの間にか「トーツポテン」という唸りに変わった。そうして頭に刺さったトッポは目ん玉になり、キノコは歩き回るようになったそうな。

トーツポテンの化け物の話を聞いた若者は、今度はお前の化ける力を見せてくれと持ちかけた。化け物は若者が言うとおり、見事にネコや竹馬や姉様に化けてみせたんじゃと。最後に、化け物がホカホカの納豆に化けた時、若者は納豆を取り上げ、そのままストーンと飲みこんでしまったそうな。

さて、化け物の納豆を飲みこんだ若者、しばらくすると腹がごやごやと苦しくなった。若者が慌てて土手へ飛んでいって、毒消しの草をたらふく食ったら、ボボーンと一発大きな屁が出たそうな。トーツポテンの化け物は、その屁に乗ってどこか遠くへ飛ばされていったんじゃと。

じゃからな、化け物なんぞ怖いもんでねえよ。誰じゃ、夜中一人で小便に行かれねえなんて言っているのは。

(投稿者: ニャコディ 投稿日時 2012-8-4 12:05 )


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