放送回 | No.0599(0375-A) |
放送日 | 1983年01月15日(昭和58年01月15日) |
出典 | 瀬川拓男(角川書店刊)より |
クレジット | 演出:山田みちしろ 文芸:沖島勲 美術:折芝千草 作画:後藤真砂子 |
ナレーション | 市原悦子 |
とある里に年老いて働けなくなった馬がおりました。ある晩、家の主人が「働けなくなった馬を生かしておく理由も無いから、殺して皮でも剥ごう」と会話しているのを聞いた馬は、恐ろしさに駆られ馬屋を破って逃げ出しました。
逃げ出して命拾いしたのは良いものの何処にも行く当てが無く、仕方なしにとぼとぼ歩いていると、馬と同じように年老いて働けなくなり、殺されそうになって逃げ出した犬と、猫と、ニワトリに出会いました。3匹と1羽は連れだって旅をする事になりました。
その夜は小雪交じりの寒い夜でした。皆がひとつ処に固まって寒さをしのいでいると、何処からか人の話し声が聞こえました。3匹と1羽が様子を伺うと、二人の泥棒が盗んだ千両箱を前に酒盛りをしているところでした。
それを見ていた猫が皆に提案しました。「みんなであの泥棒を驚かして、あの千両箱を奪ってやろう」。
それで馬の上に犬が乗り、犬の上に猫が、猫の上にニワトリが乗り、皆で一斉に大声で「ヒヒーン!」「ワンワンワン!」「ニャーゴ!」「コケッコー!」と叫びましたら、泥棒はその大声にすっかり胆を潰し、お宝を放置して一目散に逃げてしまいました。
まんまとお宝をせしめた3匹と1羽は、それからもずっと一緒に旅を続けたと言う事です。
(投稿者: 熊猫堂 投稿日時 2012-9-6 4:56)