昔、足柄山の山奥の家に金太郎と母親が暮らしていました。金太郎は産まれた時からの力持ちで石臼をハイハイしながら引きずってしまうほどでした。
金太郎が歩き始めると、母親は金太郎に腹掛けを作りましたが、腹掛けはブカブカでした。でもそれは、金太郎が早く大きくなるようにという願いが込められていたのです。山奥で暮らす金太郎の遊び仲間は動物たちでした。元気に動物たちと遊ぶうちに金太郎はどんどん大きくなり、腹掛けもピッタリになっていました。
金太郎が身体が大きくなり力がついたことを知った母親は、金太郎に鉞を与えました。金太郎はその鉞で薪割りの手伝いをするようになりました。
その年の秋。動物たちが金太郎のところに来て栗拾いに行かないかと誘いました。金太郎は喜んで動物たちと栗拾いに出かけましたが、崖にかかっていた橋がなくなっていました。動物たちが困っていると、金太郎は近くにあった大きな木を力一杯押し倒し橋をかけてあげました。
金太郎たちが橋を渡った向こう側には栗の木があり、栗の実が沢山落ちていました。皆が夢中で栗拾いをしていましたが突然、茂みの方から大きな熊が現れました。動物たちは震え上がりましたが、金太郎は怖がることなく熊とがっぷり組み合いました。
山で一番強い熊が相手では流石の金太郎もなかなか勝負がつけられません。動物たちの応援に励まされ金太郎はついに熊を持ち上げ勝ちました。熊は降参して、金太郎と他の動物たちと仲良くなりました。
この金太郎はのちに坂田金時と名を改め、源頼光四天王のひとりに数えられる立派な武士になるのです。これは坂田金時の子供時代の物語です。
(投稿者: Kotono Rena 投稿日時 2013-7-26 20:13)
ナレーション | 常田富士男 |
出典 | (表記なし) |
DVD情報 | DVD-BOX第1集(DVD第2巻) |
場所について | 金時山 |
本の情報 | サラ文庫まんが日本昔ばなし第5巻-第021話(発刊日:1976年8月10日)/童音社BOX絵本_第29巻(発刊日不明:1970~1980年頃)/国際情報社BOX絵本パート1-第059巻(発刊日:1980年かも)/二見書房まんが日本昔ばなし第7巻-第25話(発刊日:2006年2月21日)/講談社デラックス版まんが日本昔ばなし第29巻(絵本発刊日:1985年05月15日)/講談社テレビ名作えほん第001巻(発刊日:1977年5月) |
サラ文庫の絵本より | 絵本巻頭の解説によると「神奈川県の昔ばなし」 |
童音社の絵本より | 絵本巻頭の解説(民話研究家 萩坂昇)によると「神奈川県の昔ばなし」 |
講談社のデラックス版絵本より | 気は優しくて、力持ち。自然の中でのびのび育った金太郎は、すこやかでたくましい男の子の象徴として、五月人形にもとりいれられています。ところで金太郎は、坂田金時(さかたのきんとき)という実在の人物で、平安時代、源頼光(よりみつ)の四天王のひとりといわれた武士です。その強さ、勇敢さは広く知られ、後の世にも語り継がれていきました。そんななかでこの話が生まれたのです。金太郎は足柄山のやまんばと赤竜との間に生まれたといわれ、金時山には、金太郎が母と住んでいたという「宿り石」、猪の鼻を折って埋めたという「猪鼻神社」があります。(神奈川地方の昔ばなし) |
講談社の300より | 書籍によると「神奈川県のお話」 |
レコードの解説より | LPレコードの解説によると「神奈川地方の昔ばなし」 |
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