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大平さまの矢(だいへいさまのや)

放送回No.0565(0354-A)
放送日1982年08月14日(昭和57年08月14日)
出典茨城県
クレジット演出:白梅進 文芸:沖島勲 美術:小関俊之 作画:白梅進
ナレーション常田富士男

あらすじ

昔、茨城の立木(たつき)という所に大平(だいへい)さまと呼ばれる弓の名人がいた。

ある日、村人が数人集まって大平さまの噂話をしていると、一人の村人が「大平さまに引けぬ弓はない。」と言い出した。すると、これを聞いたもう一人の村人が、竹を数本縄で束ねた巨大な弓を持って来たのだ。いくら大平さまでも、こんな大きな弓が引けるだろうか?村人たちは、この弓を引いてもらうべく、大平さまの家を訪ねた。すると家の中から大男が顔を出す。この見上げるような大男こそが大平さまである。大平さまはこの巨大な弓を手に取ると、いとも簡単に引いて見せた。これには弓を作った村人も肝をつぶす。

そして、今度はこの弓で矢を飛ばしたら、どこまで飛ぶだろうかという話になった。大平さまは、この話も快く引き受け、早速村人たちはこの大きな弓に見合う矢を作ることとなった。

さて、篠竹を数十本束ねた大きな矢も完成し、いよいよ矢を射ることになった。大平さまは弓に矢をつがえ、ギリギリと引き絞る。そして矢を放った瞬間、辺りにはつむじ風が起こり、矢は山を越えてはるか彼方へ消えてしまった。

村人たちは、矢の行方を探して歩いたが、矢はなかなか見つからない。もうかれこれ二十町も歩いたかという時、村人の一人が山の中で、幹に大穴を開けた木を見つけた。大平さまの矢は木を突き抜けて、まだ遠くへ飛んで行ったのだ。村人たちは、なおも歩を進めて矢の行方を追ったが、結局浜辺まで行っても矢は見つからず、その日は帰ることにした。

ところがそれから何日かして、一人の漁師が村を訪ねて来た。漁師が言うには、沖の小島に大きな矢が刺さっているので、この辺りに弓の名人がいると聞いて訪れたのだそうだ。そう、なんと大平さまが放った矢は、百町も離れた沖の小島まで飛んだのだ。

やがてこの小島はいつしか陸とつながり、大平さまの矢じり塚と呼ばれるようになった。今でもこの塚は、こんもりと竹を茂らせて残っている。

(投稿者: やっさん 投稿日時 2013-1-15 17:33)


参考URL(1):http://toneponpokou.tanuki-bayashi.com/yajirizuka_kasanukinuma/index.html
地図:北相馬郡利根町大字大房のやじり塚

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