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牛池(うしいけ)

放送回No.0555(0347-B)
放送日1982年06月26日(昭和57年06月26日)
出典新潟県
クレジット演出:しもゆきこ 文芸:境のぶひろ 美術:しもゆきこ 作画:今村春美
ナレーション市原悦子

あらすじ

昔、ある山の中に美しい水をたたえた深い池があった。その池からそう遠くない所に、小さな山里があった。この山里のある家に、欲深な婆様と、気立ての優しい娘が住んでいた。

「鳥や牛に生まれたほうが、どれほどよかったかもしれねえな。」と、娘は思うのだった。娘は婆様に、くる日もくる日も機を織らされているのだ。娘の織る反物は、たいそうな銭になるので、婆様は娘を一日も休ませなかった。娘は手も足も凍え、かじかみ、ひびわれて、崩れていった。

ある日、窓辺に小鳥が迷い込んできた。娘は思わず見とれ、機をおる手足の調子を乱してしまい、縦糸がばっさりと切れてしまった。それを見た婆様は狂ったように叫び、「直さんうちは飯をやらない」と言った。

婆様が寝静まった夜中、娘は外へ出て泣き崩れていた。ふと気配を感じ顔を上げると、目の前に婆様の飼っている牛がいた。牛は、娘を背中にのせて、月の光のなかをゆっくりと歩きだした。そうして牛と娘の姿は、山の池のあたりで見えなくなった。それっきり誰もその姿を見たものは現れなかった。

長い年月が過ぎ、誰がつけたのか、牛と娘が消えた山の池は「牛池」と呼ばれるようになり、月の明るい晩に、機をおる音が聞こえてくるそうだ。

(投稿者: 十畳 投稿日時 2011-8-1 15:55 )


地図:牛池(十日町市にある)

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