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節句のたんぼすき(せっくのたんぼすき)

放送回No.0543(0339-B)
放送日1982年05月01日(昭和57年05月01日)
出典兵庫県
クレジット演出:なべしまよしつぐ 文芸:境のぶひろ 美術:門屋達郎 作画:なべしまよしつぐ
ナレーション常田富士男

ヘソ曲がりな若者も、いつかは大人なるって話

昔は、1月7日、3月3日、5月5日、7月7日、9月9日、を節句といってお祝いしたものです。

ある村では、この5回の節句の前には、村人総出で道の草刈りをしたり橋を修理したりして、翌日はみんなで節句をお祝いしていました。この村にはとてもヘソ曲がりな若者がいて、村の行事にもお祝いにも鼻で笑って一切参加する事がありませんでした。

ある年の5月5日の節句の日、この日は「牛の節句」と言って、毎日働いてくれる牛を休ませてお祝いする日でした。なのに、このヘソ曲がりの若者はそんな事にお構いなしに、牛を連れて自分の田んぼへ向かいました。

若者は、村人たちが注意しても耳を貸さずに「自分のしたいようにするんだ」と言い、牛に田んぼを耕させはじめました。すると突然、足元の田んぼからじゃぶじゃぶと水がしみ出し、みるみるうちに若者も牛も田んぼに飲み込まれてしまいました。

その様子を見ていた村人たちは慌てましたが、若者の父親は「少しは身にしみるだろう」と、助けようともしませんでした。やがて、牛は自力で泳いで泥水から顔を出し、そのしっぽには息も絶え絶えな若者がぶら下がっていました。

この事で、若者の田んぼには稲をうえる事ができなくなり、他人の田んぼを手伝いながら暮らすようになりました。これに懲りた若者は、もうヘソ曲がりな事をするのをやめて、村での行事にも参加するようになり村人たちとも仲良くするようになりました。

(紅子 2012-3-3 0:50)


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