No.0054
みづうみのかいぎょ
湖の怪魚
高ヒット
放送回:0031-A  放送日:1976年05月08日(昭和51年05月08日)
演出:児玉喬夫  文芸:沖島勲  美術:稲場富恵  作画:高橋信也
北海道 ) 56141hit
あらすじ

北海道の山奥に美しい大きな湖があった。その湖のそばで、少年サマイと勇者カンナカムイが話をしていた。カンナカムイは大きな鹿と戦う話をサマイに聞かせていた。

ところで、ある頃から、この湖に大きな怪魚が現れるようになり、湖の畔の村人は漁ができなくなってしまった。そこで、村人はカンナカムイに湖の怪魚を退治してもらおうということになった。

カンナカムイは湖の獲物とは戦わないと言って一度は断るが、ある日、カンナカムイが湖を通りかかったときに偶然怪魚を目撃し、退治にのりだすことを決心する。そしてその夜、カンナカムイは湖に船を出し、怪魚が現れるのを待った。

何時間かすると怪魚があらわれ、カンナカムイの船を襲ってきた。船がひっくりかえって、カンナカムイと船の漕ぎ手は湖の中に放り出されてしまった。漕ぎ手がひっくり返った船にしがみついてあたりをみると、カンナカムイが怪魚の背に乗って戦っているのを見た。漕ぎ手はなんとか村に戻りそのことを伝えたが、その後、怪魚もカンナカムイも現れなかった。

それから何ヶ月かして、湖から流れ出る川のほとりに大きな魚の死骸があがり、その頭にはカンナカムイの銛がささっていたということである。

(稿: 蔵人 本掲載日2012-8-14 5:50 )


ナレーション常田富士男
出典(表記なし)
備考チライ=イトウという名の魚。北海道厚岸湖などが生息地。
DVD情報DVD-BOX第12集(DVD第56巻)
VHS情報VHS-BOX第1集(VHS第8巻)
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追加情報
本の情報サラ文庫まんが日本昔ばなし第10巻-第049話(発刊日:1976年12月10日)/二見書房まんが日本昔ばなし第12巻-第47話(発刊日:2006年7月18日)/講談社テレビ名作えほん第018巻(発刊日:1977年12月)
サラ文庫の絵本より絵本巻頭の解説によると「北海道の昔ばなし」
講談社の300より書籍によると「北海道のお話」
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※掲載情報は 2012/8/14 5:49 時点のものです。内容(あらすじ・地図情報・その他)が変更になる場合もありますので、あらかじめご了承ください。
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コメント一覧
8件表示 (全8件)
ゆうはる  投稿日時 2020/10/3 11:26
カンナカムイ、船をひっくり返してどうする。
通りすがり  投稿日時 2016/9/25 0:20
アイヌの伝承、貴重ですね。
興味深く拝見しました。

現代では希少種であるイトウが化け物として、またヒグマではなくエゾシカが勇者(カムイですから神が正しいのでしょうか)の相手となっている点に興味が湧きます。
昔も、自然との調和は一筋縄ではなかったのでしょう。

ただイトウがいなければ漁師が得をできる、とも解釈できる話なので、そう捉えると現代の漁業問題と似た構図になってしまい、私の抱いていた、アイヌのよいイメージは少しゆらいでしまいますね。
ゲスト  投稿日時 2014/1/8 7:00
カンナカムイは神さまの名前だと記憶しています。
勇者の名前だという伝説は、初めて聞きました。

きたやんさんの投稿しておられる1940年出版の本、ぜひ読んでみたいです。

自分でも調べてみましたが、カンナカムイとチライ(イトウ)の関係は、
福寿草のアイヌ名以外には見つけることができませんでした。
(福寿草のアイヌ名はチライアパッポまたはクナウ。チライアパッポはイトウの花という意味。
クナウはカンナカムイの末娘の名前)


カンナカムイは雷神で、その声が遠くから聞こえると、
男達は鍛冶仕事、金物を使う仕事の手を止め、
女たちは飾り物を取り捨て、大地にひれ伏して礼をとることとされているそうです。

金物を遠ざけて身を低くする──これらは今にも通じる雷避けの工夫ですよね。
とても興味深く聞いたのを覚えています。
ペンギン  投稿日時 2013/10/3 3:54
返信ありがとうございます!

当時のレコードを引っ張り出して、何とかデジタル化しようと思っています。時間はかかるかもしれませんが、YouTubeにでも投稿できればと思っています。ただ、私もしばらく聞いてないので、録音状態がわかりません。気長にお待ちください。
幻の怪魚  投稿日時 2013/9/24 18:45
>ペンギンさん
すごいです!5部構成と聞いて確かに
『あー!そんな感じだった!』と微かな記憶が甦った様な気がしました。
当時の音楽会でこの曲を歌ったのも、
選曲された先生の中でなにか深い思い出があったのかも…
と今思うと、とても感慨深いものがあります。
実際の曲や歌詞が入手・再生困難な状況ではありますが、
世代を超えてこうして同じ思いを持った方がおられた事を嬉しく思います!

当時のレコード、大切にしておられるのですね。
そのレコードが手元にある限り、必ずいつの日か、
当時の歌声を聞ける日が来る事と信じております。
ペンギン  投稿日時 2013/9/12 22:14
 幻の怪魚さん!私も小学校4年生の時にこの歌を歌いました。幻の怪魚さんのコメントを読んで大変懐かしく、当時のことを思い出しました。今から42年も前のことです。
 当時、私は自分の通う小学校の合唱団に所属していました。そこで練習していたのがこの、日本民話による合唱組曲「湖の怪魚」です。この組曲は1.七色の湖、2.怪魚チライ、3.つよい勇士カンナムイ、4.たたかい、5.それから…、の5部構成でした。
 ある時、外部から男性の先生が来てその曲を指導してくださいました。後にその先生が音楽の先生のご主人になるのですが、この曲の楽譜に書いてあった作曲者と作詞者のお名前がそのお二人の名前だった記憶しています。
 そして、この曲を半年ほど練習した後、神田共立講堂で発表しました。今ではこの曲の楽譜や歌詞などは残っていませんが、唯一、このときに録音したレコードが手元にあります。でも、残念ながらプレーヤーがないので聞くごとができません。いつか、当時の懐かしい歌声を聞ければと思っています。
幻の怪魚  投稿日時 2013/8/22 17:05
小学校の時、この話が題材になった歌を合唱会で歌いました。
相方にこの話をしても『聞いた事ない!なにそれ?』としか…
必至で伝えようにも『湖の主 チライ?♪』のフレーズしか思い出せません。
動画で見せてやろうと思い、
『湖の怪魚 チライ カンナカムイ 歌』と検索をしても歌が見つかりません。
とても悔しいです!
どなたか、この歌をご存知の方おられませんか?
ちなみに私は今35歳で、
小学校で歌ったのは確か9?11歳くらいだったと思います。
きたやん  投稿日時 2013/4/26 15:46
このお話、どうも摩周湖の伝説がベースになっているようですね。
図書館によくあるようなアイヌの伝説集には収録されておらず、全く聞いたことのないお話だったので、創作なのかとずっと気になっていました。
大本の伝説は1940年に出版された本に載っていました。こりゃ知るわけないわ(;´д`)

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