北海道の山奥に美しい大きな湖があった。その湖のそばで、少年サマイと勇者カンナカムイが話をしていた。カンナカムイは大きな鹿と戦う話をサマイに聞かせていた。
ところで、ある頃から、この湖に大きな怪魚が現れるようになり、湖の畔の村人は漁ができなくなってしまった。そこで、村人はカンナカムイに湖の怪魚を退治してもらおうということになった。
カンナカムイは湖の獲物とは戦わないと言って一度は断るが、ある日、カンナカムイが湖を通りかかったときに偶然怪魚を目撃し、退治にのりだすことを決心する。そしてその夜、カンナカムイは湖に船を出し、怪魚が現れるのを待った。
何時間かすると怪魚があらわれ、カンナカムイの船を襲ってきた。船がひっくりかえって、カンナカムイと船の漕ぎ手は湖の中に放り出されてしまった。漕ぎ手がひっくり返った船にしがみついてあたりをみると、カンナカムイが怪魚の背に乗って戦っているのを見た。漕ぎ手はなんとか村に戻りそのことを伝えたが、その後、怪魚もカンナカムイも現れなかった。
それから何ヶ月かして、湖から流れ出る川のほとりに大きな魚の死骸があがり、その頭にはカンナカムイの銛がささっていたということである。
(稿: 蔵人 本掲載日2012-8-14 5:50 )
ナレーション | 常田富士男 |
出典 | (表記なし) |
備考 | チライ=イトウという名の魚。北海道厚岸湖などが生息地。 |
DVD情報 | DVD-BOX第12集(DVD第56巻) |
VHS情報 | VHS-BOX第1集(VHS第8巻) |
本の情報 | サラ文庫まんが日本昔ばなし第10巻-第049話(発刊日:1976年12月10日)/二見書房まんが日本昔ばなし第12巻-第47話(発刊日:2006年7月18日)/講談社テレビ名作えほん第018巻(発刊日:1977年12月) |
サラ文庫の絵本より | 絵本巻頭の解説によると「北海道の昔ばなし」 |
講談社の300より | 書籍によると「北海道のお話」 |
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