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お蚕さま(おかいこさま)

放送回No.0524(0328-B)
放送日1982年02月13日(昭和57年02月13日)
出典長野県
クレジット演出:しもゆきこ 文芸:境のぶひろ 美術:しもゆきこ 作画:しもゆきこ
ナレーション常田富士男

天から虫が降ってきた。蚕を飼うようになった由来

昔、信州のある村に、仲の良い夫婦と一匹の馬がいた。七年たってやっと産まれた女の子が、夫婦の一番の宝物だった。娘はすくすく育ち、馬もこの娘がかわいいようで、馬小屋に引き入れては仲よく遊んでいた。

春になったある日、家で留守番していた娘がいなくなった。大慌てで探しまわったがどこにも見つからず、一晩中探し回って家に戻ってくると、娘は馬小屋で眠っていた。両親はいそいで娘を馬から引き離し、どうしても馬を許せなかった父親は、山に連れて行って殺してしまった。

それを知った娘は大泣きし「馬のところへ行く」と言って、家から飛び出した。娘可愛さに馬を殺した罰だろうか、娘は竜巻にまかれて天高く舞い上がりそのまま姿を消した。

時が過ぎ、夫婦は魂が抜けたように空を見上げていると、愛しい娘が馬に乗って空を駆けている姿を見た。そして馬の顔に似た二匹の虫が、一枚の木の葉に乗ってひらひらと落ちてきた。

この虫の背には、馬の蹄(ひづめ)のような模様があり、馬のように桑の葉をモリモリ食べた。美しい糸を吐くこの虫を、夫婦は娘のように大切に育て、数を増やして村人たちにも分けてあげた。これが養蚕の始まりです。

(紅子 2011-12-5 1:51)


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