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狩猟の四天王(しゅりょうのしてんのう)

放送回No.0523(0328-A)
放送日1982年02月13日(昭和57年02月13日)
出典大分県
クレジット演出:もりまさき 文芸:境のぶひろ 美術:安藤ひろみ 作画:川尻善昭
ナレーション市原悦子

ものすごい鉄砲の名人4名のエピソード

九州に4人の狩りの名人がいました。

山石原の次郎左衛門(じろうざえもん)は、大阿蘇の主の大イノシシを一発で仕留めた。
堀川の金右衛門(きんうえもん)は、一日で兎を百羽とった。
岡上の善兵衛(ぜんべえ)は、夜撃ちでカモを百羽とった。
谷汲川の遊太郎(ゆうたろう)は、九州一の人さらいの大鷲を一発で撃ち落とした。

これほどの名人になると、逆になかなか山へ入らなかったので、四人の妻たちは暮らしに困って内職を助け合ってこなしていた。それでも四人の評判はあちこちに知れ渡っていたので、方々からたくさんの見物人が集まってきて、いつも若者たちが周囲にたむろしていた。

さて、ある朝早くに善兵衛が山へ入り、それと時を同じくして遊太郎も山へ入った。喜んだ野次馬たちも後からついて行き、妻たちも獲物を心待ちにしていたが、二人とも手ぶらで帰ってきた。野次馬たちに理由を聞くと、「善兵衛と遊太郎が谷を挟んだ崖から向かい合って鉄砲を撃ち、二人のど真ん中でぶつかり合って弾が一つにくっついた」と、興奮しながら説明した。

またあくる日、次郎左衛門が珍しく気分が乗ってイノシシを撃ちまくっていると、弾が無くなってしまった。ふと見ると、はるか遠い山の上に金右衛門がいたので、弾を一発借りることにした。金右衛門がズドンと撃った弾を、次郎左衛門が鉄砲の筒先で受け止めた。

なんとも嘘のような名人たちは、男たちには大評判だったが女たちには受けが悪かったそうだ。

(紅子 2012-1-5 20:54)


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