情報の掲載されているページはこちらです。(本文に戻る)byまんが日本昔ばなし〜データベース〜[印刷用画面]

お夏石(おなついし)

放送回No.0503(0316-A)
放送日1981年11月21日(昭和56年11月21日)
出典神奈川県
クレジット演出:白梅進 文芸:沖島勲 美術:門屋達郎 作画:白梅進
ナレーション常田富士男

強欲婆さんの自慢の里芋が石になっちゃう話

昔、小田原の近くの寄(やどろぎ)というところにお夏という欲深な婆さんが住んでいました。それはもう、自分の物なら舌を出すのも嫌いなほどで、人の物は平気で横取りしてしまうほどの強欲ババアでした。

このあたりの土地は痩せていてどの畑の里芋も育ちが悪いのでしたが、どういうわけかお夏婆さんの里芋だけは丸々と太っていました。村人たちが、お夏婆さんに里芋(種芋)を分けてくれるようお願いしても、絶対に分けてくれませんでした。

ある日、この村にみすぼらしい旅の坊さんがやってきました。ちょうど里芋を洗っていたお夏婆さんに「もう五日も何も食べてないのでこの芋を分けてもらえませんか?」とお願いすると、婆さんは「これは石芋だから食えんのじゃ」と嘘をつきました。

家に帰った婆さんは、洗ってきたばかりの里芋を鍋で煮て、そろそろ食べようと蓋をあけてみると、なんと里芋は全部石になっていました。あわてて畑へ行ってみると、なんと婆さんの自慢の里芋はみんな石になっていました。

それからというもの、お夏婆さんの畑では何度芋を植えてもみんな石になったそうです。村人たちは、この石芋の事を「お夏石」と呼んで、欲をかかないための戒めにしたそうです。

(紅子 2012-1-16 0:16)


地図:松田町寄(地図は適当)

※このページは印刷用の画面です。情報の掲載されているページは、こちらです。(本文に戻る)