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大懸山のうわばみ(おおかげやまのうわばみ)

放送回No.0499(0313-B)
放送日1981年10月31日(昭和56年10月31日)
出典広島県
クレジット演出:山田みちしろ 文芸:沖島勲 美術:福井のり子 作画:山田みちしろ
ナレーション常田富士男

猟師と大蛇の真剣勝負

昔、広島の大懸山に、野鹿を狙う五助という猟師と年老いたウワバミがいて、いつも同じ獲物を取り合っていました。今日もウワバミに野鹿を横取りされ、五助は「いつか勝負しないといけなくなるから覚悟しろ!」と言いました。

するとその夜、五助の小屋にウワバミの化身という一人の男が現れました。男は「本当に強い者は、勝負の前に自分の弱点を相手に知らせるという。それを伝えに来た」と言いました。五助は酒を酌み交わしながら「猟師の弱点は、火縄の火を消される事だ」と正直に話しました。そして五助とウワバミは、七日七晩たった日を勝負の時としました。

いよいよ勝負の日、五助の前に姿を現したウワバミは、予想通り雨や風で火縄の火を消そうと攻めてきました。銃を構える暇などなく嵐の中を必死に逃げ惑う五助は、どうにか桶の中に隠しておいた火縄をとりだし、岩の斜面の裂け目に身を潜めました。

裂け目の底で息を殺して待っていると、ウワバミがずるりずるりと岩の上を滑り降りてきました。ウワバミの弱点であるアゴの部分が五助の頭上を通過した瞬間、構えていた銃でアゴを撃ち抜きました。ウワバミはずるずるとがけ下に落ち、五助もウワバミの毒に当てられたのか、何日もの間寝込んでしまいました。

やがて元気になった五助は、がけ下に白骨化したウワバミの骨を拾い集め、黒焼きにしてたくさんの薬を作りました。この薬は痛み止めとしてよく効く薬として、里の人々にも分け与えたという事です。

(紅子 2012-1-27 0:03)


地図:大懸山

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