No.0479
りゅうぐうのかね
竜宮の鐘
高ヒット
放送回:0300-B  放送日:1981年08月01日(昭和56年08月01日)
演出:小林治  文芸:沖島勲  美術:古宇田由紀子  作画:小林治
写真あり / 山口県 ) 23822hit
あらすじ

昔、下関の南部町(なべちょう)にある専念寺には、たいそう大きなつり鐘がありました。この村の人たちは、毎朝鳴りわたる鐘の音を合図に暮らしていました。

ある年の夏、不思議なことに鐘がひとりでに鳴るようになりました。そんなある晩のこと、ひとりの若い娘がお寺の和尚さんの枕元に現れ、「あの鐘は竜宮のものです、鐘を返さなければ鐘もお寺も粉々に砕きますよ」と言い、海へ消えていきました。

翌日、和尚さんと村人たちは相談して、女の人の髪の毛で綱を編み、つり鐘を縛りつけておくことにしました。女の人の髪の毛はこの世で一番強い、と言われているからです。その綱で縛りつけたつり鐘は、その晩から鳴らなくなりました。

ところが三日目の朝になって、綱はぷつんと切れ、まるで足でも生えているように鐘が歩きはじめました。お寺の石段を下って浜辺へ進んで行くつり鐘を、村一番の力持ちの又五郎が引きとめようと必死につかみました。しかし、鐘はとうとう海の底深くへもぐっていってしまい、又五郎の手にはつり鐘のてっぺんにあった竜頭(りゅうず)だけが残っていました。

のちに和尚さんが、このつり鐘について調べてみると、百年ほど前に波打ち際にうちあげられていたものと分かりました。そこで、あらためて新しい鐘をつくり、その上に竜宮の鐘が残していった竜頭をつけたという事です。

(紅子※講談社の決定版100より 2011-11-15 1:36)


ナレーション市原悦子
出典山口県下関市
DVD情報DVD-BOX第12集(DVD第59巻)
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場所について専念寺
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地図:専念寺
追加情報
講談社の300より書籍によると「山口県のお話」
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※掲載情報は 2012/1/29 22:54 時点のものです。内容(あらすじ・地図情報・その他)が変更になる場合もありますので、あらかじめご了承ください。
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コメント一覧
3件表示 (全3件)
ゲスト  投稿日時 2017/8/7 20:12
「鴻の卵」や「よいしあん谷」に出てきた男と全くそっくりですね。
めくら鼠  投稿日時 2013/7/6 19:34
和尚の枕元に現れた“若い娘”のドup顔をサムネにチョイスして下ださらなくて感謝いたします…
araya  投稿日時 2011/11/15 0:28
先日、FBで話題が出ながら地元の話と気付かず、失礼しました。ちょっと字が見づらかったのですが、確かに下関の話です。場所は専念寺になりますね。

33.954467,130.939065

竜宮の秘宝を取り返しに来る話だとは思いますが、話に登場する又五郎さんには面白い逸話があり、当時、亀山八幡宮(「耳なし芳一」で有名な阿弥陀寺(赤間神宮)と寺領争いをよくしてました)の夏越祭では、下関と小倉とで相撲大会が行われており、小倉側の妙見山に下関側は負け続きでした。そこで手を尽くして探し出したのが紀の国屋又五郎。下関にある「火の山」を四股名として、接戦の末、見事に勝利を収めました。この時に生まれた地元の諺が「亀山八幡宮の相撲で後がない」。背水の陣をさす時に使われていました。
また、話中の大ダコには幾つかの伝説がありますが、1860年に千石船の碇が揚がらず、潜ると鐘に引っかかっていて、大ダコに襲われたいたとかって話も伝わっています。それはさておき、関門ダコは海峡の早い流れで身が引き締まって美味いとのことです。機会があれば是非ご賞味あれ♪
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