昔、大分県由布院に塚原という里があった。この里では作物もよくとれ、人々は平和に暮らしていた。ところが、毎日夜になるとこの里に恐ろしい鬼どもが現れ、家を踏みつぶし、畑を荒らし、村人を散々苦しめていた。
この様子を空から見ていた土の神は、何とかして村人を助けようと、あることを考えた。土の神は地上に降り、鬼どもにこう言った。「おまえたちは凄い勢力を持つと聞くが、一夜のうちに、百個の塚を作れるか?もしそれができたらこの土地はお前たちにやるが、できなかったら山の岩屋へ戻り二度と出てくるな。どうだ?」
これを聞いた鬼どもは、早速塚を作り始めた。そうして、99個の塚ができた時、土の神は鶏のまねをして叫んだ。夜明けまでに百個の塚を作れなかったと思った鬼どもは、山の岩屋へ帰って行った。
この事を知った村人は、鬼から村を救ってくれた神様に深く感謝した。そうして、塚の一つ一つに祠を作り、神様を祭った。鬼の作った99の塚すべてに、神様が宿ったのだった。それからこの里では、二度と鬼に襲われることはなかったそうだ。
(投稿者: 十畳 投稿日時 2011-8-15 22:47 )
ナレーション | 市原悦子 |
出典 | 大分県湯布院町 |
備考 | 塚原に伝わる九十九塚伝説 |
DVD情報 | DVD-BOX第10集(DVD第48巻) |
場所について | 九十九塚 |
本の情報 | 国際情報社BOX絵本パート2-第093巻(発刊日:1980年かも)/講談社テレビ名作えほん第094巻(発刊日:1988年2月) |
講談社の300より | 書籍によると「大分県のお話」 |
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