放送回 | No.0449(0281-A) |
放送日 | 1981年03月21日(昭和56年03月21日) |
出典 | 熊本県宇土市 |
クレジット | 演出:若林常夫 文芸:沖島勲 美術:水野尾純一 作画:吉田利喜 |
ナレーション | 常田富士男 |
備考 | 小袖餅はおいしい。永正十四年(1517年) |
昔、熊本県の宇土(うと)という町に、お静という親孝行な娘がおった。お静は病気がちの母親を助け、茶店を営んでいた。
その頃の宇土の殿様である、なわほうきのかみ あきたか(名和伯耆左衛門尉=なわほうきさえもんのじょう)という若い殿様が、一人で城内を見て回りたいと、馬に乗り城を抜け出した。城内にでた若い殿様は、水を掛けられたり犬に追われたり子供にからかわれたりしながら、一人で城内を見回っていた。
そのうち、腹がへってきたのでお静の茶店に立ち寄り、お餅を3皿も平らげた。殿様は、お静の親孝行ぶりに感心しながらも、お餅の代金を払わず立ち去ろうとしたため、食い逃げ犯だと町人達に袋叩きにされてしまった。
殿様は、明日にお餅の代金はお城に取りに来るように、と着ていた着物の袖を引きちぎりお静に渡した。袖にあった紋所(家紋)を見て、本物の殿様だったことがわかったお静は、これは大変なことをしたと思い、死をも覚悟してお城に向かった。
しかしお殿様は、親孝行なお静に餅の代金とは別に沢山の褒美を渡した。
この話はたちまち城内に広まり、お静の茶店は大繁盛するようになった。この餅は「小袖餅」とよばれ、今でも宇土の名物になっているそうです。
(紅子 2011-8-9 23:29)
地図:小袖餅本舗 |