放送回 | No.0405(0254-A) |
放送日 | 1980年09月13日(昭和55年09月13日) |
出典 | 松谷みよ子(未来社刊)より |
クレジット | 演出:こはなわためお 文芸:沖島勲 美術:小関俊之 作画:土橋博 |
ナレーション | 市原悦子 |
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深い深い山との間に、小さな村があった。この村では三日月を見る事さえできないくらい、信州の山深いところにあった。
この村に、種作じいさんと息子夫婦が住んでいた。種作じいさんは、自分で切り開いた田んぼが100枚(100個)ある事が自慢だったが、この小さな村から出た事がないのが心残りだった。
月日がたち、歳をとった種作じいさんは、田んぼで働くこともできなくなった。死ぬ前に一度でいいから山の向こうが見てみたいと願っていた。
それを聞いた息子は、じいさんを背中に担いで山の頂上に登った。山の頂上から広い広い土地(田畑)を見たじいさんは「日本は広いなあ」と驚いた。
それを聞いた息子は「いやいや、日本はもっと広いよ。この3倍だよ」と答え、二人は嬉しそうに笑いました。
(紅子 2011-6-21 1:17)