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No.0397
もうじゃのとおるみち
亡者の通る道

放送回:0248-B  放送日:1980年08月02日(昭和55年08月02日)
演出:小林治  文芸:沖島勲  美術:石川山子  作画:小林治
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あらすじ

昔、飛騨の山奥での話。

冬の間近い秋の終わり、ある男が山道で倒れていた。そこへ近所の百姓の金衛門が通りかかった。その男は何人もの人を殺した大罪人で、江戸から上州、信州と逃げ回ってきたがここで力つきてしまったのだと言う。

金衛門が、大罪人に水を飲ませてやると、大罪人は礼を言って息絶えた。金衛門は大罪人の男を土に埋め、ねんごろに葬ってやった。

この年は夏からの飢饉で百姓一揆が相次ぎ、その首謀者と家族達はどこまでも追い詰められ殺されていった。

次の年の初夏のある夜。金衛門の家の前を、大勢の足音や荷車の音がした。不思議に思った金衛門が外へ出てみると、家の前の橋のたもとに人魂がゆらめいていた。

物音は、次の夜もまた次の夜も続いた。金衛門の家では水瓶の水が吹き出したり、米俵がひっくり返されたり、子供が宙に浮いたりという怪現象が起きるようになった。そのため妻は寝込んでしまった。

金衛門が気味の悪い怪現象に困りはて、半狂乱になっていると、家の外から「金衛門さん…」と呼ぶ声がした。そこにはいつか水を飲ませてやった大罪人の幽霊が立っていた。大罪人の幽霊は「なるべく早く他へ移りなせえ、ここは亡者の通る道じゃから…」と、言い残し去って行った。

金衛門が目をこらして見ると、家の中にたくさんの幽霊が行き交い、外の橋には無数の幽霊が列をなして渡っていくのが見えた。金衛門の家が、ちょうど地獄へ向かう亡者の魂が通る道の上に建っていたのだ。

この事実を知った金衛門は、家を橋から離れた所へ移した。そして橋のたもとに経塚をたて、亡者の霊をねんごろに弔ってやった。

(引用/まんが日本昔ばなし大辞典)


ナレーション市原悦子
出典清水真弓(角川書店刊)より
出典詳細妖怪と人間(日本の民話07),辺見じゅん=清水真弓,角川書店,1973年4年20日,原題「飛騨の金右衛門」,伝承地「岐阜県」
リメイク情報飛騨国
場所について亡者が向かった地獄谷(地図は適当)
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地図:亡者が向かった地獄谷(地図は適当)
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※掲載情報は 2011/2/11 22:30 時点のものです。内容(あらすじ・地図情報・その他)が変更になる場合もありますので、あらかじめご了承ください。
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コメント一覧
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ゲスト  投稿日時 2017/3/3 2:57
実は下呂市にも殆ど全く同じ話がある。登場人物もキンエモン(漢字表記不明)。
beniko  投稿日時 2012/12/21 0:14
地図をマッピングしました、教えてもらってありがとうございました。関係ある地としてマッピングしました。
ちなみに、このお話の出典元である本を確認しますと、採録地は「岐阜」と明記がありましたので、県名はそのまま岐阜にしております。よろしくお願いいたします。
マルコ  投稿日時 2012/12/20 23:16
富山県中新川郡立山町(旧国越中国)の室堂平にある温泉。標高2,300 mに位置する日本最高所の源泉だそうです。
航空写真で見ると、雪をかぶっていない荒地?見たいな所が『地獄谷』のようです。
ゲスト  投稿日時 2012/12/16 14:56
立山山中のミクリガ池は、江戸時代、寒の地獄(極寒の苦しみの世界)に見立てられていました。立山曼荼羅には、亡者が池の中に首まで浸かって、もがき苦しむ様子が描かれています。この地獄にまつわる説話を、立山曼荼羅の絵解き台本『立山手引草』(嘉永7年〔1854〕)に基づいて見ていきましょう。
 昔、越前国越智の僧侶良慶(小山法師とする説話もある)は、大先逹(修験道修行の指導者)の海弁に導かれ、立山禅定登山を行いました。途中、良慶は地獄谷で寒の地獄を見て、それを百姓家の種井(種をまく前に種籾を浸しておく池や川)のようだと嘲り、口に剣をくわえて池に飛び込むと、向こう岸まで泳いでみせました。
 海弁は良慶の傲慢な行動に驚き、自分の不徳でこの不祥事が起きたことを嘆きました。そして、もしこのまま良慶の傲慢な行動を抑えられなければ、立山の名を汚すことになると憂いました。そこで、海弁は降魔(悪魔を退治し降伏させる)の加持祈祷を行い、地元の刀尾神の力も授かり、不動明王が乗り移ったような形で、良慶に言いました。すなわち、おまえ(良慶)が口にくわえていた剣は、実は玉殿窟(立山開山の場所)の大聖阿遮羅尊(不動明王)の秘宝剣であり、地獄池で泳いだとき、その剣の徳で堕地獄を免れたのである。そして、おまえが剣を盗んだことは、あとで詮議することにして、剣を自分に返し、もう一度地獄池に入ってみよと告げました。
 これを聞いた良慶は腹を立て、剣の徳を嘲り、それを投げ置いて再び地獄池に飛び込みました。しかし、3巡り目についに地獄へ堕ちてしまいました。ミクリガ池の名は、良慶が池を3度巡ったことに由来します。
ゲスト  投稿日時 2012/12/16 14:52
インドの『倶舎論』や『大毘婆沙論』などの仏教経典には、地獄の位置について、それは人間が住む世界の地下に重層的に奥深く続く形で存在すると説かれています。
 一方、もともと外来宗教であった仏教が日本で広まる以前から、日本人は天上や地下、山中、海中といった、いわば自分たちの住む世界の垂直・水平方向の延長線上の場所を他界とする観念をもっていました。そのなかでも山中を他界とする観念は、日本の国土の大部分が山地や山岳で占められるといった独特な風土・環境のためか、とりわけ強くもたれていたようです。
 すなわち古代の日本人は、人が死ぬとその霊魂が肉体から分離して、村里近くの山やあるいは立山のような立派な山へ登ると考えていました。肉体から離れたばかりの霊魂は暴れる死霊なのですが、山の不思議な力で次第に死霊から祖霊に浄められ、さらに子孫の祀りを受けて山の神になるというのです。このように古代の日本人は、山地・山岳を死霊・祖霊の漂い鎮まる他界としていました。
 仏教の広まり、浸透に伴い、日本ではその土着の他界観と仏教の地獄観が交わり、霊魂の漂い鎮まる山中こそが外来宗教の仏教が示す地獄のある場所だと信じられるようになりました。つまり、地獄の亡者に対する裁判や責め苦などの具体的な内容は、圧倒的で壮大な体系をもつ仏教に依拠しましたが、その場所については、自分たちの根源的な考え方に基づいて、山中に見出したのです。
 その際、越中立山は山中に火山活動の影響で荒れ果てた景観を有し、地獄を見出すには格好の場所でした。立山山中の地獄谷、ミクリガ池、血の池などは、4万年前からたびたび起こった水蒸気爆発による爆裂火口であり、なかでも地獄谷では、火山ガスを噴出するイオウの塔、熱湯の沸き返る池、至る所からの噴気が見られ、また特有の臭いも相まって、そこは不気味な谷間となっています。こうした特異で非日常的な景観が地獄の様子に見立てられ、立山地獄の信仰が生まれたものと考えられます。

マルコ  投稿日時 2012/12/15 16:50
立山の地獄谷に行ってきました。
そこは、生きているマルコにとっても地獄でした・・・。
草木一本も生えていない、岩と石ころばかりの谷で、岩の間から絶えず火山ガスが出ていて、不気味にそびえる黄色い硫黄の塔、熱湯のボコボコ沸き返る池や血のように真っ赤な池などがありました。
谷に充満している硫黄の匂いが臭いを通り越して、息を吸うのも辛い、苦しい状態でしたよ・・・。「苦しい・・早く新鮮な空気を吸いたい・・・。」と谷からエンマ台へ駆け上がり、口と鼻を覆っていたタオルを取って吸い込んだ空気が本当に美味しかったです。
本当に酷い匂いでタオルで口と鼻を覆っていないと息が吸えませんでした。
油断してタオルを離そうとするものなら、とたんに、すごい匂いが鼻の中に飛び込んできて、「オエェェェ!!」と言ってしまうぐらいでした。
地獄谷へ行く途中には「有毒ガス危険・歩道以外立ち入り禁止」「呼吸器系の疾患を患っている人は危険」「谷間には有毒ガスが溜まりやすいので、天候状況に注意してください」などの看板があり、本当に危険な場所なんだ・・・と思いました。


中部山岳国立公園立山・地獄谷では、平成23年度に行った調査及び火山ガス等の専門家による検討の結果、火山ガスの変化と噴気活動の拡大活発化により、火山ガス中毒の事故発生リスクが高まっていることがわかりました。
 この結果を受け、平成24年度から当面の間、地獄谷歩道を通行止めとしています。また、現道(エンマ台~雷鳥荘)においては、風向きにより火山ガスの大気中濃度が変化することから、通行する場合は、注意喚起看板を確認の上、十分注意頂きますようお願いします。
 なお、平成24年度以降、調査を継続して火山ガスの変化や噴気活動のトレンドを把握した上で代替歩道も含めた調査、検討を行い、その結果を踏まえて、地元関係者及び専門家の意見を聴きながら、地獄谷及び現道を含めた室堂における安全対策を検討していく予定です。
・・・そんなわけで、今現在は『地獄谷』は通行止めになっているようです。
マニアック  投稿日時 2011/10/18 20:22
主人公の金衛門の顔キャラクターは、小林作品では度々登場。多分この作品が、初登場でしょう。
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