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No.0388
あおいききみみずきん
青いきき耳頭巾

放送回:0243-A  放送日:1980年06月28日(昭和55年06月28日)
演出:高橋春男  文芸:境のぶひろ  美術:水野尾純一  作画:中村武
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あらすじ

ある所に権太(ごんた)という少しウスノロであったが、心根のやさしい若者がいた。両親は既に他界していて一人暮らし。近くに住む叔父さん(伯父さん)が飼育する牛の面倒を見ることで生計を立てていた。

ある日、権太は山へ行き野焼きをしていた。枯れ草を焼いて、新しい草が生えるのを助けるためだ。しかし火の中から、何やらもがき苦しむようなおかしな声が聞こえる。権太が見てみると、蛇の子が煙に巻かれて苦しんでいる。権太は慌てて、蛇の子を助けて野に放した。

次の日も、権太は牛を山に連れて行く。春の陽気はうららかで、牛が草を食んでいるうちに、権太はついウトウトと眠ってしまう。すると権太の夢に宇賀神(うかじん)と名乗る神様が現れ、権太に蛇の子を助けてくれたお礼を言い、願いを叶えてやると言う。権太は考え、動物たちの話していることが聞ければ、さぞ楽しいだろうと思い、動物の言葉が聞きたいと言う。そこで宇賀神は、動物の言葉を聞くことができる「青い聞き耳頭巾」を権太に渡す。

さて、権太が夢から覚めると、はたして本当に権太の頭には青い頭巾があった。試しに頭巾をかぶって牛の鳴き声を聞くと、牛は「水が飲みたい」と言っていた。小川で牛に水を飲ましていると、傍らの木の上で、カラスたちが鳴いている。聞き耳頭巾を使って聞いてみると、「人間ほど利口に見えて馬鹿な者はいない。いつもこの木の横を歩いているのに、この木の下に宝が埋まっているのを知らない」と言う。

権太がその木の下を掘ると、カラスたちの言っていた通り、大判小判が入った壷が2つも出てきた。権太はそのお金で一人立ちでき、さらに隣村からお嫁さんをもらうこともでき、以後幸せに暮らしたそうだ。

(投稿者: やっさん 投稿日時 2011-5-5 13:52 )


ナレーション常田富士男
出典浜口一夫(未来社刊)より
出典詳細佐渡の民話 第一集(日本の民話18),浜口一夫,未来社,1959年04月30日,原題「青いきき耳頭巾」,採録地「小木町宿根木」,話者「石塚キジ」
場所について小木町宿根木(現在の佐渡市宿根木、地図は適当)
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地図:小木町宿根木(現在の佐渡市宿根木、地図は適当)
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※掲載情報は 2011/5/28 1:04 時点のものです。内容(あらすじ・地図情報・その他)が変更になる場合もありますので、あらかじめご了承ください。
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コメント一覧
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ゲスト  投稿日時 2021/11/5 9:13
作画見ると、CCレモンのシンプソンズを思い出します。
Perenna  投稿日時 2020/9/23 0:55
この昔話と似たような話は、未来社の「越後の民話・第二集」にも収録されています。
題名は同じ「青い聞耳ずきん」(長岡市深沢町)です。
「山の村に、権という、若い、気立てのいい炭焼きがすんでいた。毎日、炭焼いたり、山の畑にアワやヒエを作ったりして、暮らしていた。」という書き出しで始まっています。
主人公の権はサルの親子と仲良しで、あるとき子ザルが猟師の仕掛けたワナにかかっていたので、ワナからはずして助けてやりました。
また、親ザルが病気になったときも、権が親切に介抱してやったので、そのお礼として鳥の話がわかる聞耳ずきんをもらいます。
カラスの話していた情報をたよりに、庄屋のお嬢さんの病気の原因(ヘビとナメクジのたたり)を除いてやりました。
権は命の恩人だというので、お嬢さんのお婿さんになって、めでたしめでたしという話です。
主人公の名前が「佐渡の民話」では権太で、「越後の民話」では権というのも、なんらかの共通性がありそうな感じがします。
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