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しゃべれなくなった茂平(しゃべれなくなったもへい)

放送回No.0355(0222-A)
放送日1980年02月02日(昭和55年02月02日)
クレジット演出:フクハラ・ヒロカズ 文芸:境のぶひろ 美術:西村邦子 作画:フクハラ・ヒロカズ

あらすじ

K様より「しゃべれなくなった茂平」の原作は未来社刊の『天草の民話』にある「消えた金の杯」ではないかとの情報をいただきました。以下にK様から寄せられたあらすじを紹介します。

 

牛深市牛深町の大島では、昔から正月二日に「船祝い」という船のお祝いをする行事があり、その日は漁師が一切の仕事を休んで寄り合いをし、一日中酒盛りをしてお祝いをするのでした。

ところが漁師の茂平はこのおきてを破って、浜に打ち上げられている寄れ木を拾いに行きました。寄れ木を拾っていた茂平が「馬乗りの赤崎」という洞窟の前に来た時、洞窟の中から何やらにぎやかな声が聞こえてきました。不思議に思った茂平が洞窟の中に入っていくと、そこには神官のような袖の広い着物を着た七,八人の神様が酒盛りをしておりました。驚いた神様の一人が「お前は何しにここへ来た」と聞くと、茂平はありのままここへ来たわけを説明しました。

すると神様の一人が茂平に、酒は好きかどうかと尋ねました。酒が大好きな茂平はにたっと笑い、それを見た神様の一人が「どうやら好きらしいな。一杯飲んでみろ」と言い大きな杯にたっぷりと酒をつぎました。茂平はその酒を一気に飲み干し、その飲みっぷりを見た神様達は彼を気に入り、代わる代わる茂平に酒を飲ませました。

ぐでんぐでんに酔った茂平が帰ろうとすると、神様の一人が彼に、飲んでも飲んでも酒が湧いてくる金の杯を与えました。そうして自分達がここで酒盛りをしていたことを誰にも言わないよう茂平に約束させました。

しかし茂平は部落に帰った後、酔っていたこともあり大声で洞窟での出来事を叫んでしまいました。それを聞いた漁師たちは洞窟へ向かいましたが、中には誰もいませんでした。騙されたと思った漁師たちは茂平の家へ押しかけ問い詰めましたが、茂平は酔いつぶれて相手にならず、仕方なく引き上げていきました。

その夜、茂平は夢を見ました。その夢とは、神様からの酒を飲んだことで自分の舌がしびれ垂れ下がり、モノをいう事ができなくなってしまい、さらに神様から「嘘つきの舌を引き出せ」といわれ、舌を引き出されるというものでした。

夢から醒めた茂平は、夢と同じように舌が垂れ下がり言葉をいう事ができなくなっていました。そして、神様からもらった金の杯はしみのついた汚い杯に変わっていました。

 (投稿者:K 投稿日時 2019/5/29 20:25)

 

 


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