No.0351
さんにんこぞう
三人小僧
高ヒット
放送回:0219-A  放送日:1980年01月12日(昭和55年01月12日)
演出:若林常夫  文芸:沖島勲  美術:門屋達郎  作画:若林常夫
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あらすじ

昔ある山寺に、たいへん蕎麦好きな和尚さんと三人の小僧さんがいました。

このお寺の小僧さんは、普段のおつとめ仕事の合間にソバ畑でも忙しく働いていました。ここの和尚さんはでとってもケチで、夜に小僧さんたちが寝静まると、自分一人でこっそりそばを食べていました。

そこで、小僧さんたちは相談して妙案を考えました。翌朝、小僧さん達は自分たちの名前を変えてもらうように和尚さんに申し出ました。それぞれの名前は、「ガスガス」「ガラガラ」「マイマイ」というちょっと妙なものでした。

その晩、いつものように和尚さんが一人でそばを打ち始めました。鰹節をガスガスと削る音を聞いた小僧さんは、大きな声で「呼びましたか?」と台所にかけこんでいきました。呼んでもない小僧さんがやって来た事に和尚さんは驚きましたが、「まあ仕方がない、一杯だけそばを食べなさい」と、ご馳走してあげる事にしました。

小僧さんは喜んで、お椀を取り出そうとガラガラまさぐっていると、もう一人の小僧さんが「呼びましたか?」と台所にかけこんでいきました。またまた起きてきた小僧さんに和尚さんは驚きつつも、「まあ、仕方がない」とそばをご馳走してあげる事にしました。

三人でそばを美味しそうに食べ始め、二人の小僧さんが嬉しそうに「あぁ、ぅマイぅマイ」と大きな声で言いました。すると、最後の小僧さんが「はーい!」と言いながら寝床から飛び出してきました。そして「私もそばを食べたいです」と囲炉裏の前に座りました。

和尚さんは「やられた」と思いながらも、三人の小僧さんに蕎麦をご馳走してあげました。

(紅子 2012-11-10 22:10)


ナレーション市原悦子
出典小汀松之進(未来社刊)より
出典詳細出雲の民話(日本の民話12),石塚尊俊、岡義重、小汀松之進,未来社,1958年09月15日,原題「三人小僧」,原話「仁多郡誌」
場所について島根県仁多郡奥出雲町(伝承地)
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地図:島根県仁多郡奥出雲町(伝承地)
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※掲載情報は 2012/11/10 22:10 時点のものです。内容(あらすじ・地図情報・その他)が変更になる場合もありますので、あらかじめご了承ください。
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コメント一覧
3件表示 (全13件)
ゲスト  投稿日時 2015/8/27 13:51
和尚様と三人の小僧【和尚と小僧】―高橋ハナ昔話集―より | おもしろい新潟県の昔話

 あったてんがの。ある寺に和尚様と三人の小僧があったと。和尚様はいつも小僧に隠してうまいもん食うているてんがの。和尚様は
「小僧小僧、このうまいもんは、大人が食えばなんともないが、おまえらのような子どもが食えば、死んでしもうがら」
とようてきかせていらしたがらと。あるどき、和尚様は檀家へお経読みにいがしたてが。その留守に三人の小僧が
「和尚様は、このうまいもんは、自分のような大人が食えば死なないし、子どもが食えば死ぬとようていらしたが、そんげんことはないと思う。ちっと食うてみよう」
そうようて、一人の小僧が、食うてみたら、ばかうまいてが。あんまりうまいんだんが、三人してそのうまいもん、いんな(みんな)食うてしもうたと。小僧は
「はて、このうまいもん、いんな食うてしもうたが、和尚様が帰ってきたらどうしょう。いんなしてこの部屋掃除しよう」
そうようて
「ここには和尚様がつぼき(庭木)を鉢にいれて、大事に飾っておかしゃる」
そうようて掃除したと。一人の小僧が鉢をクワンとたたいて割ったと。二人の小僧が
「こんげのことして和尚様がどっげに怒らっしゃるかわからんぞ」
とようと、小僧が
「おらに任しておけ。和尚様には、大事な鉢をこわしたんだんが、あのうまいもん食えば死ぬてがで、あんまり申し訳ないすけ、食ったとようことにしよう」
そうようことに決めておいたと。ほうして三人の小僧は、仏檀の前で泣いていたと。そこへ和尚様が帰ってきて、
「ねら、三人してなんで泣いているがら」
と聞くんだんが、
「和尚様、大変申し訳ないことをしました。和尚様の大事なつぼきの鉢を割ってしもうた。これは死んで謝(あや)らねばならんと思うて食えば死ぬというあのうまいもんを三人で食った。もう死ぬか、もう死ぬかと思うているうちに、んな食ってしもうた。いっこう死ねないんだんが、こうして泣いているがのだ」 と小僧がようたと。和尚様もどうしょうもねえんだんが、
「おう、そうか。もう泣かんでもいいや。鉢を割ったのも仕方がねえ。うまいもん食われてしもうても仕方がねえ」
そうようていらしたてが。いきがさけた。
http://hikozen.holy.jp/book/mukasi/25-3.html
ゲスト  投稿日時 2015/8/27 13:47
とんちの一休さん みたいなお話ですね
可愛い小僧さんですね
みんなで食べれて、良かった良かった
もみじ  投稿日時 2012/12/21 23:51
蕎麦じゃなくて、焼いたお餅だったか何か別の食べ物で、
名前を変えてもらってご馳走にありつくこのパターンのお話を読んだことがあります。
こういうケチな大人をやり込める子どものとんち話は面白いです(*´∀`*)
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