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月見の枝(つきみのえだ)

放送回No.0329(0206-A)
放送日1979年10月13日(昭和54年10月13日)
出典(表記なし)
クレジット演出:小林三男 文芸:沖島勲 美術:宮川一男 作画:福田皖
ナレーション市原悦子

あらすじ

昔、ある山奥にたいそう貧しい村があって、その村には一本の大きな松の木が立っていた。

ある日、村に住む独り者の吾作が、隣村で酒をご馳走になって帰る途中、松の枝からぱぁっと明るい満月が出てきた。あまりの美しさにみとれていると、村人たちも松の木の下に集まってきて、みんな口々に月を褒めたたえた。翌日も美しい満月が出たので、大勢の村人たちが松の木の下に集まって、貧しいながらもおいしく食事をとったり、楽しく歌ったりして過ごした。

夜も更けて、村人たちはみな家に帰ったが吾作がまだ月を眺めていると、そのうち雨が降りはじめた。どんどんひどく降る雨の中、それでも満月は煌々と輝き、不思議に思いながらも吾作も家に帰ることにした。その後の数日間は、どうしたことか美しい月は出なかった。

心待ちにしていたある夜、久しぶりに美しい満月が輝いた。吾作が喜んでうっとりと眺めていると、雲の切れ目からもう一つの半欠けの月が顔を出した。驚いた吾作が声をあげると、満月はあわてて松の枝の中に引っ込んだ。狸か狐の仕業だろうと考えた吾作は、松の木の満月に声をかけた。「おーい、満月の方がよっぽど綺麗だぞー、もっと上だったぞー下だぞー」等とからかっているうちに、狸がドサッと木から落ちてきた。

吾作は、頭にタンコブを作った狸を手当てしてやり、これからも美しい満月を出し続けてくれるようにお願いした。狸は喜んで、毎晩美しい満月を出してあげた。そして、この松の木の枝を「月見の枝」とよぶようになった。

(紅子 2011-11-12 19:52)


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