日本のむかし話3(松谷みよ子,1973年11月20日)に、同タイトル名のお話があり「このお話かもしれない」ということであらすじを書いてみます。
昔、青森の山奥に、蚕を飼って暮らすおせんという可愛らしい娘がいました。
夏の初め頃、おせんは山の桑畑に桑の葉を採りに出かけましたが、行方不明になりました。おせんの母親も村人たちも必死に探しましたが結局見つからず、「神隠し」と言われました。
かれこれ五~六十年の月日がながれたある年の事、恐ろしいほどの嵐の日がありました。戸締りをしっかりしていたおせんの家に、世にも恐ろしい形相をした婆さまがすうっと入ってきました。
この婆さまは昔に行方不明になったおせんでした。おせんは、山のモノ(山男か山おじか)の所へ嫁入りし、長い年月を山で暮らしていたが、ようやく里帰りをしても良いと許可が出たので顔を見に来た、と説明しました。
そこでおせんの家の者は、精一杯のご馳走をして山の婆さま(おせん)をもてなしました。山の婆さまは山での暮らしが長かったので、里のご馳走はどれも塩辛く感じ、口に合わないようでした。
山の婆さまは二日ほど泊まって、また来るからと言い残し、山へ帰っていきました。
それから何年かは、嵐の日になると必ず山の婆さまが訪ねてきました。それを知った村人たちは、「嵐の日になると怖い山の婆さまがきっと来るぞ」と言って、しっかり戸を閉めて外へ出る者はなかったそうです。
(紅子 2014/4/12 22:37)
ナレーション | 未見のため不明 |
出典 | クレジット不明 |
出典詳細 | 日本のむかし話3(松谷みよ子のむかしむかし03),松谷みよ子,講談社,1973年11月20日,原題「山のばさまの里がえり」,場所「青森県」 |
このお話の評価 | 6.20 (投票数 5) ⇒投票する |
⇒ 全スレッド一覧