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そば屋にむこ入りした雷(そばやにむこいりしたかみなり)

放送回No.0308(0192-B)
放送日1979年06月30日(昭和54年06月30日)
出典石崎直義(未来社刊)より
クレジット演出:山本孝一 文芸:沖島勲 美術:田中静恵 作画:白川忠志
ナレーション市原悦子

あらすじ

昔々、ある山の峠に1人のきれいな娘が住んでいた。この娘、身寄りがなく、たった1人で峠のそば屋を営んでいた。

ある日のこと、にわかに雲行きがあやしくなり、やがて雷とともに大雨が降り始めた。娘は雷が怖かったので、戸締りをして家の中で小さくなっていた。すると、何と空から雷様が落ちて来たのだ。雷様は、そば屋の暖簾を見てそばが食べたくなったので、そば屋の戸を叩いた。娘は雷様を見て驚いたが、そばを出さないと自分が食べられてしまうと思ったので、雷様にそばを出すことにした。

雷様はそばを食べ終わると、娘が1人ぼっちなのを見て、おっとうやおっかあは居ないのかと尋ねる。すると、娘はここに1人で住んでいると言うのだった。娘のことを不憫に思った雷様は、何と自分を婿にしてほしいと頼んだ。娘は恐ろしさのあまり、この話を承知してしまった。

こうして、雷様はそば屋に婿入りしてそばを打つようになった。この話はたちまち村中に広まり、雷様の打つそばを食べようと、あっちの村こっちの村からと客が押し寄せたので、店はたいそう繁盛した。

ところで、この噂を聞きつけたお月様、自分も一度雷様の打つそばを食べてみようというので、ある夜そば屋に降りて来た。雷様の打つそばがおいしかったとみえて、お月様はそば3杯をたいらげ、30文を払うとまた夜空に帰って行った。

さて、この話はお日様の耳にも届き、今度はお日様がそばを食べに降りて来た。お日様はそばをおいしそうに食べ、次々におかわりをする。そして食べに食べて30杯、そばが無くなったところで、代金1文を置いて空に帰ろうとする。

1文はいくらなんでもひどいので雷様が呼び止めると、「お月様は、いくら置いていった?」とお日様は尋ねる。雷様が30文ですと答えると、お日様は「月に30文なら、日に1文でねえか?」と答えた。雷様はしばらく考え、「そうか、ひと月は30日だから、お月様が30文ならお日様は1文でいいんだ!!毎度ありい!!」と納得してしまう。

こうしてお人よしの雷様は、お日様にまんまと騙されてしまったが、それを気にする訳でもなく、その後も一所懸命働いたので、そば屋はいつまでも繁盛したそうだ。

(投稿者: やっさん 投稿日時 2011-11-5 12:39 ) 


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