放送回 | No.0267(正月特番) |
放送日 | 1979年01月03日(昭和54年01月03日) |
出典 | 石崎直義(未来社刊)より |
クレジット | 演出:樋口雅一 文芸:沖島勲 美術:宮本清司 作画:高橋春男 |
ナレーション | 市原悦子 |
森羅万象すべてのことに感謝して生きている爺さまが主人公。
どんなことにもいつも手を合わせ、「ありがたやぁ、ありがたやぁ」とつぶやくのが口癖なのです。石につまづいて転んでも、水溜りにはまっても、頭に鳥のフンが落ちても「ありがたやぁ、ありがたやぁ」…で、人呼んで「ありがたやの爺さま」。
ある朝、爺さまが「ありがたやぁ、ありがたやぁ」と朝陽を拝みつつ、井戸で水を汲むと、桶の中に汚れた造り物を発見。持ち帰りきれいに磨くと、それは黄金色のニワトリの置物だった。神棚に供えて「ありがたやぁ、ありがたやぁ」と毎日拝んでいると、そのニワトリの置物は金の卵を産むようになった。
ここでお約束どうり、欲深い隣りの爺さまが登場。「ワシにもその置物を貸してくれ」「あぁ、いいともさ」持ち帰って隣りの爺さまも拝んだが、産み落としたのは何やら黒い粒々。もの凄い異臭に、怒り心頭でありがたやの爺さまを呼び付ける。「何だこれはぁ~っ!こんな置きモン要らんから、とっとと持って帰れぇ~!」「すまんかったのぉ」と爺さまは粒々をも拾い集めて家に帰ったが、実はこれも「不老長寿の丸薬」だったのだ。
(引用:『萬雅堂』便り)