放送回 | No.0242(0151-A) |
放送日 | 1978年09月16日(昭和53年09月16日) |
出典 | 松谷みよ子(講談社刊)より |
クレジット | 演出:小林治 文芸:沖島勲 美術:下道一範 作画:小林治 |
ナレーション | 市原悦子 |
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庄川のほとり、須磨の里に徳平という若者と母親が住んでいた。
ある日、よもぎ川のほとりで、立派なマスを釣り上げた子供たちと出会った。そのマスがあまりにも美しかったので、徳平は草履を売ったお金の全額を払って、マスを買い上げた。そして、マスが生きている間に、よもぎ川に放してやった。
それから二、三日したある日の事。洗濯していた母親が川に流されてしまった所を、美しい娘が助けてくれた。その娘は、両親を亡くして身寄りがないという事だったので、そのまま徳平の嫁にした。二人は楽しい毎日を過ごしていたが、一年たったある夜の事、徳平の夢の中に嫁が出てきて、実は自分はあの時のマスで、もう帰らないといけないと言う。
翌朝、目を覚ました徳平は、娘がいなくなっている事に気が付いた。雨の中をあちこち探したが、娘の姿はどこにもなかった。徳平が庄川のほとりに来た時、娘が編んだ縄でその周辺の荒れ地一帯が囲ってあった。やがて大雨で増水した川が豊かな土を運んできて、その周辺は立派な田んぼになった。徳平はこの土地を耕し、後々、千石田長者と言われるようになった。
(紅子 2011-7-16 0:29)
地図:庄川(地図は適当) |