放送回 | No.0221(0137-A) |
放送日 | 1978年06月03日(昭和53年06月03日) |
出典 | (表記なし) |
クレジット | 演出:辻伸一 文芸:沖島勲 美術:内田好之 作画:辻伸一 |
ナレーション | 市原悦子 |
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京都の永福寺に、善光(ぜんこう)という若いお坊さんと年老いた母親が住んでいました。
ある時、母親が大変重い病気になり、それを案じた善光は母親が食べたいという「タコ」を買いに行くことにしました。しかし、仏に使える身である善光は、生き物の殺生は禁じられていましたので、困ってしまいました。
母親の命には代えられない、とやっと決心した善光は、タコを買いに魚屋に行きました。魚屋は、坊さんの姿では買いにくいだろうと、嫌がる善光を女装させてタコを持たせました。善意とはいえ、女装したお坊さんは逆に目立ってしまい、善光はお寺まで必死に走りました。
なんとかお寺までたどり着くと、近所の口やかましい和尚さんが立ち話していました。案の定、この和尚さんに生臭い臭いを感づかれ、無理やり桶のふたを開けられてしまいました。しかし、中からはタコではなくありがたいお経の巻物が出てきました。
善光自身にも一体どうした事かわかりませんでしたが、薬師如来様のしてくれた事と思い感謝しました。おかげで善光は母親にタコを食べさせることができ、病気もすっかり良くなりました。この薬師様はタコ薬師様と呼ばれ、今での多くの信心を集めています。
(紅子 2011-12-25 2:09)
地図:永福寺(蛸薬師堂永福寺) |