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No.0217
きつねのばけだま
キツネの化け玉

放送回:0134-B  放送日:1978年05月13日(昭和53年05月13日)
演出:川尻善昭  文芸:沖島勲  美術:川尻善昭  作画:川尻善昭
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あらすじ

昔、新潟県の山奥の大井平(おおいだいら)というところに、人をだまして悪さをするキツネたちがいた。そしてその近くにはお寺があり、たいそう頭のいい小坊主さんが住んでいた。

ある日、小坊主さんはキツネを退治をするために、檀家の命日が記載された古い巻物をもって、キツネが住む山へと入って行った。そして「今月十五日に庄屋さんの家で法事があり、油あげ(あぶらげ)がたらふく食べられる。この他にもこの巻物であちこちの法事がわかる」と大声で言った。

キツネは、大好物のあぶらげを食べたいので、大切な化け玉と巻物を交換した。小坊主さんはキツネの化け玉を見事にだまし取り、桐の箱に入れて寺の宝として大切にする事にした。

その後、キツネは十五日に庄屋さんの家へやって来た。だが、小坊主さんから話を聞き待ち受けていた人たちに殴られ、さんざんな目にあった。キツネはくやしくてたまらず、仲間のキツネから化け玉を借りて、取り上げ婆さん(産婆さん)に化けた。

婆さんに化けたキツネは、寺の和尚さんに「自分は小坊主さんが生まれたときに取り上げた婆さんだ」と名乗り、小坊主がキツネから取った化け玉を一目見せてほしいと頼んだ。和尚さんが化け玉をみせてやると、キツネは正体を現し、化け玉を取り返して帰って行った。

それを知った小坊主さんは、今度は神主さんの装束を身に着け、栗毛色の馬にまたがって大井平へ向かった。そして「自分は南方平の稲荷大明神である」と叫び、大井平のキツネ全員を集めた。

小坊主さんは「化け玉は人間が触ると効力がなくなるので、わしが全員の化け玉を磨きなおしてやる」と言った。キツネたちは、持っていた化け玉を小坊主さんが用意した袋に入れた。まんまと全ての化け玉をだまし取った小坊主さんでしたが、馬に飛び乗った際に烏帽子が脱げて坊主頭がまる見えになった。

正体がばれた小坊主さんは、馬に乗って必死に逃げて、ようやくキツネたちを振り切った。その後、大井平のキツネは、人をだますことがなくなったということである。

(投稿者: カケス 投稿日時 2013-9-14 11:41)


ナレーション常田富士男
出典新潟のむかし話(日本標準刊)より
出典詳細新潟のむかし話(各県のむかし話),新潟県小学校図書館協議会,日本標準,1976年01月28日,原題「キツネの化け玉」,採録地「中魚沼郡津南町」,再話「高野登吉」
場所について大井平(現在の中魚沼郡津南町上郷大井平、地図は適当)
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地図:大井平(現在の中魚沼郡津南町上郷大井平、地図は適当)
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※掲載情報は 2013/9/14 13:49 時点のものです。内容(あらすじ・地図情報・その他)が変更になる場合もありますので、あらかじめご了承ください。
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コメント一覧
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華煌  投稿日時 2020/2/9 21:37
小坊主さんががんばってきつねから化け玉を取り上げたというのに、
和尚さん、まんまと騙されて、とりかえされてしまった。
和尚さん、シッカリしてください!
それにしても、この小坊主さんは知恵者ですね。
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